命を畏れよ「鹿の王」の感想

Vol.6
ファンタジー書いているといつも思ってしまうのが、名前が分からないけど、これって何と言うのだろう。
たとえばクワとか思い浮かべても、名前を知らなかったら検索するのも大変なんですよね。
城壁の素材は何だろう、服装はどうやって表現しよう。
読者に思い浮かばせるのってかなり難しいです。
しかしこの表現が神掛かっている作者がいます。
上橋菜穂子さん、そしてその全てが詰まった【鹿の王】を紹介したいと思います。

感想

上橋さんのファンタジー大好きです。
獣の奏者も大好きで、生きるとは何かをファンタジーに落とし込んでいる気がします。
今回は感染症についての話であり、それに生きる人と立ち向かう人たちが生について奔走する話です。
人の体って不思議なもので、育った環境で耐性が異なったり、体調で異なったりと、予測がしにくいのですよね。
現在コロナが流行っても、おそらく全く発症しない人もいるはずです。
それでも病める人がいる限り、どこかの誰かが研究をしてくれているのでよね。
それが分かる作品でした。
しかしかなり知識のいる題材にも関わらず、それをファンタジーで表現することに驚きました。
そして主人公たちがかっこいい。
己の人生を生きて、鹿の王についての様々な考えを聞いたり、医者として何をするべきかを問い続ける、生きるとは何かと最後まで聞かれ続けました。

**

この作品から学んだこと**

文章表現が本当に好きで、いつかこのレベルまでいきたいと思っています。
ファンタジーの設定は一から想像しないといけず、世界観や民族、食べ物や植物、ありとあらゆるものを散りばめていかないといけない。
多少は目を瞑ってもらえても、砂漠に北極グマがいるなんて設定は受け入れ難いのですよ。
そう言った矛盾を出来る限り省いて、少しでもリアルに近づけると言うのは、言うは易く行うは難くです。
しかしこの設定をしっかり立てることができると途端に描きやすくなるんですよね。
やっぱり書けない時ってしっかり裏設定を作っていないときなんですよね。
私もこんな作品を作ってみたい、そう思うのでした。

この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?