ドイツのエンタメ
ドイツのテレビ番組は、正直、詰まらないものが多いです。
推理小説や刑事ドラマ、ドイツ語で言う「クリミ(Krimi)」が大好きな国民性、「火曜サスペンス」はおろか、ほぼ毎日どこかのチャンネルで刑事ドラマが放映されて、毎日誰かが殺されています。
あとはクイズ番組とトークショーですね。これでドイツの番組の8割はカバーできるのではないかというくらいに。
バラエティやコメディは、正直何が面白いのか分からない。言語の問題だと思っていたのですが、多分、笑いのツボが違うんだなと。
その一方、ドイツのコンテンツで外れなく面白いなと思うのが、ドイツの暗黒の歴史を舞台にしたドラマや映画です。
何とも皮肉なのですが、ドイツのエンタメは、ナチやシュタージ(旧東独の秘密警察)など、自国の歴史の暗部にスポットライトを当てた作品を作ると、たちどころに面白くなる。
先週、「バビロン・ベルリン」(シーズン4)がテレビで再放送されていたのですが、明らかに定期ドラマと予算の掛け方が違う。ストーリーも面白いし、キャラクターも個性的。テレビに釘付けになって視聴していました。
また、先週10月3日はドイツ統一記念日であったため、気球で東独から西独に逃げた人の実話をもとにした映画「気球(Ballon)」が放映されており、それも本当に面白かった。
その後直ぐわずか5分の休憩で「バビロン・ベルリン」が始まったので、結果3時間以上テレビを見続けていました。
「バビロン・ベルリン」の挿入歌「Ein Tag wie Gold」(直訳:黄金のような日)も、刹那の平和と迫る破滅という、ワイマール共和国の雰囲気(と言って何も知りませんが)を良く表している感じがして好きです。
歌詞の中でも特に次の部分は印象的でした。
どうしてドイツは暗い話を書くのが得意なんだろう?
と思っていたのですが、ふと、
怒りや悲しみ、不甲斐なさ、不合理といったネガティブな感情は、文化の壁を超えられるからだけでは……?
と思うに至りました。
楽しい、ウケる、といったポジティブな感情は、特に「笑いのツボ」は、文化特有なところがあるけれど、
ネガティブな感情は割と理解しやすいだけなのかと思いました。
別にドイツのコメディの作り方が下手というわけではなく。
まあでも……国境や言葉の壁を超えて愛されているコメディコンテンツやハッピーエンディングの作品はあるわけですから、
ドイツの作品がイマイチ刺さらないのは、僕のせいだけではないかもしれません……。
まあ、言ってそんなに数を多く視聴しているわけではないので、単に出会えていないだけなのかもしれません。
ただそれでも一つ言えるのは、ドイツは暗い話が本当に得意、ということ。
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