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【ドイツ語】英語と似ているドイツ語5

 こんにちは。

 今回も、自分なりの基準ですが、英語と似ていると思ったドイツ語の単語をご紹介していこうと思います。

 場所を表す単語+前置詞から成り立った副詞

 ドイツ語では、物を表す代名詞と前置詞を一緒に使いたいとき、「er, sie, es」という通常の3人称の代名詞ではなく、場所を表す単語を前置詞と組み合わせます。

 Ich denke an meine Karriere.(僕は自分のキャリアについて考えている。)
 ➡ Ich denke daran. da(そこ)+r(母音の間に挟まる)+an(について)

(比較)Ich denke an meine Freundin. (僕はガールフレンドのことを考えている。)
 ➡Ich denke an sie

 この現象は上記の場合のような単語の代名詞への置き換えに限らず、副詞や疑問詞でもよく見られます。

dafür(そのために)darum(それゆえ) danach(その後) 
hierfür (このために)hiermit(これをもって)
wovon(何によって、何から)womit(何を持って)  

 「これ」と言うときにはhier(ここ)「それ」と言うときにはda(そこ)「どれ」と言うときはwo(どこ)を使っています。見事な対応です。

 どうしていきなり場所を表す言葉が出てきたのか、最初に出会ったときは謎なのですが、そのうち慣れて何とも思わなくなります・・・。

 これはドイツ語だけの特徴なのかな、と思って英語に立ち返ると、すごく身近な単語にありました。

 therefore

 there(そこ) + for(e)なので、「そのために(for that)」というのが元々の意味で、今は「それゆえ」という意味で使っていますね。

 なんでthereなんだろう?という素朴な疑問が氷解・・・!

 残念ながらドイツ語のdafür(そのために)は意味的にニアミスです。「だから」という意味ではdeshalbとかdeswegenとかを使いますね・・・。

 それ以外では、メールとかで添付ファイルを送るときに言う、

  The documents are attached herewith

の、herewithですね。本当に文字通り、「これ(=メール)と一緒に」という意味だったのかー!と、遅まきながらアハ体験をしました。

 そのほか、ドイツ語と作り方がよく似ている単語いくつか見つかりましたが、英語ではどれも堅い書き言葉の印象です。

thereafter その後(≒ danach その後)👈after thatの方を使いますよね。
hereof これについて(≒hiervon これについて)
hereafter 今後は(≒hiernach こののち)hiernachはあまり使わない気がしますが。
whereof 【関係詞】それについて【疑問詞】どれについて(≒wovon)

「所在」「行方」という意味を表す「whereabouts」は、「どのあたりに」という意味から来ているようですが、「何について」に由来していても今の意味につながるような気もします。ドイツ語ではこういう言い方をしないようですが。

「場所を表す言葉+前置詞」はオランダ語にもあるので(daarna(その後))、少なくとも西ゲルマン語族にはある言い方なのだと思いますが、英語については、時代が下るにつれて「前置詞+this/that/what」という言い方が一般化したのかもしれませんね?

 ドイツ語ではまだこれが文法項目として残っているのですが、英語ではこの場合単に単語を「そうなってるもの」と覚えてきました。

 その意味で、ドイツ語を経由して改めて英語を再発見できたのでした。

 🍀ここまでお読みくださいまして誠にありがとうございました!

【写真:motointermedia(Pixabay)】

 

 

 

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