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学校のトイレ

学校の怪談的な話ではない。

息子が新1年生になるので、小学校説明会に参加してきた。寒波が近づく中、体育館に集まって話を聞く。すごく寒い。体育館でも全学年の児童が集まれば良い感じに密集感が出るのに、保護者50〜60人と教師数名だけではいやに広く感じる。寒さも何割か増しているような気がする。

「入学までにやっておいてほしいこと」という項目の中に、「和式トイレで用を足せるようにしてください」と指導があった。確かに、特に古い校舎の学校だと和式トイレもまだまだ残っているよな、と思った。

だけど話を聞くと、新1年生が入る校舎は比較的新しいらしい。それでも和式トイレがあるらしい。「比較的新しい」がどれくらい新しいのかは知らないけど、なぜわざわざ新品の和式トイレを作ろうと思ったのだろう。全部洋式トイレではダメだったのか。

「和式トイレの使い方がわからなくて汚してしまうお子さんが毎年必ずいます」

今どきはどの家も洋式トイレだし、イオンモールとか百貨店とかもどんどん洋式トイレに造り変えてきている。トイレが5個あったら1個だけ和式くらいの比率だけど、その和式トイレはもれなく売れ残っている。

もはや、意識しないと和式トイレに気付かない時代になってきた。だから、和式トイレの使い方がわからない子どもがいたって何もおかしくない。

これから古い校舎をリフォームするたび、洋式トイレに造り変えるのではなく、ピカピカの和式トイレにするのだろうか。

つい「トイレを全部洋式に造り変えたら問題解決ではないでしょうか?」と言いそうになった。だって、全部洋式トイレなら、「毎年必ず」出没している「和式トイレの使い方がわからなくて汚してしまうお子さん」は出てこなくなる。

保護者はわざわざ和式トイレを探して子どもに改めてトイレトレーニングする手間が無くなるし、教師も汚れた和式トイレの掃除から解放されるのだから、みんなハッピーではないのか。問題点があるとすればリフォーム費用がかかるくらいだが、子どもと保護者と教師のために「洋式トイレリフォーム助成金」が国や県から出たっていいんじゃないか。

衛生面でもビジュアル面でもバリアフリー面でもグローバリゼーション面でも優れた洋式トイレがあるのに、和式トイレを意地でも残してやろうとする理由はなんだろう。日本の伝統文化だろうか。でもそれを言うなら、日本人はすでに着物で生活しなくなった。それとも、子どもたちの足腰を鍛えたいというねらいがあるのかもしれない。

何であれ、日本は和式トイレに執着している気がする。


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