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ZINE『#OOTD』収録エッセイ

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テーマは「ファッション×自己表現」。ZINE『#OOTD』にページ数の関係で載せきれなかった5つのエッセイを収録しました。隠し事無し、フルバージョンです。
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産後の事情

産後37日目。 可愛い赤ちゃんを爆誕させたのと引き換えに、私のお腹はゆるゆるのシワシワになった。37日経っても元に戻らないウエストと体重に軽く絶望している。 37日程度じゃ体型は戻らないとわかっていても、体重減少はあと6kgを残してピタッと止まってしまったし、お腹も出たまま、太もものスキマは豊かな肉で埋められ、お尻との境界線は行方不明。焦る。 私にとってこれは死活問題である。 なぜなら、妊娠前に着ていた洋服の6割が入らないからだ。 ジーパンはもちろん入らない。ゴムのパンツ

“ファッションの自由”を奪うもの

私が洋服やファッションを好きになったのは、母が大きく影響している。 母の若い頃はそれはそれは美人でスタイルも抜群。 ワイドパンツや、ローウエストのミニスカにホルターネックのショート丈トップス。今の若い子でも勇気がいるシロモノ。そんな服をナチュラルに着こなす若い母の写真を見て、羨ましい、そしてカッコイイと思った。 私を産んだ後も母はおしゃれを楽しんでいた。 フィリピンから日本にやってきた母はショークラブでダンサー兼ホステスとして働き始める。当時の写真を見ると、昔のホステスっ

気持ち良い服②|服と性犯罪

さて、夫に「男のためにそんな服着てるとしか思えないんだけど」と言われた件について話を戻そうと思う。ちょっとリスキーな話をする。 私は、自分の体型を理解している。下半身太めなんだけど、まず目が行くであろう場所はお尻。とにかくお尻が大きい。そしてボディラインが出る服を「気持ち良い」と感じるので着る。すると、お尻だけが突き出て見える。 これに対して、男の人はドキッとする。それは自然の摂理であるし、人間の本能であるし、女の私でもこんな服装の女の子がいたら目で追うと思うから「見るん

気持ち良い服①|何のために、誰のために

「男のためにそんな服着てるとしか思えないんだけど」 夫にそう言われた。私の服装について喧嘩になった日の出来事である。 私は時々、男の人をドキッとさせる服を着ることがあるようだ。胸元が大きく開いてるとか、スカートがすごく短いとかもあれば、全身を布で覆ってはいるけどボディラインが出ているとか、お腹がチラ見えするとか、透けているとかもある。 その日はどんな服装をしていたのか忘れてしまったけど、帰宅して、お風呂上がりに夫と何気なく会話していると、何かがきっかけで喧嘩が勃発した。そ

自己表現

「外見と内面、どっちが大事?」とはよく聞く質問ではあるけれど、どっちかを選ぶのはナンセンスではなかろうか。 私は「外見は内面の一番外側」だと思っている。つまり、内面の性格とかパーソナリティだとか自己認識だとか、あるいは「こうしなければ」といった義務感とかが、じんわりと外見ににじみ出てくる。それは服装もだし、顔つきや髪型、爪にも現れる。内面から外見、外見から内面、双方向でグラデーションがかかっている。 そう考えると、ファッションは自己表現なのだな、と思う。 私は普段、自分