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排泄ケアの基本

今日は排泄の基本について話します。
私たちは生きる上で排泄しなければなりません。
方法は人様々ではありますが共通しているのはおしっこを出して、
うんちを出して毎日元気に生活すること。
これは誰でも同じで例外はありません。
介護職がケアの対象としている高齢者の多くは、排泄に何らかの不安を抱えてしています。
施設では事前情報としてアセスメントシートや対処サマリー等で、その方の情報を受け取りますが、
うちの法人でもよくあるのが、アセスメントシートにオムツ交換っていう
情報があったのでそのままずっとオムツ交換していました…。
こういったことがあります。
本当にそれでいいのでしょうか?

先日もこんな経験がありました。

トイレに行けた事例


入所から間もないAさんは、長時間2時間程度は車椅子に座っていられる方
2時間以上座っていられるということは、座位を保てるということです。
またその方はモジュール式車椅子を使っていたので、長時間立位を維持する必要がなく
トイレに座れる方でありました。
そのため私はその方に対してトイレ誘導の声掛けをしました。
ですが、長くトイレに座っていなかったせいか、その方は最初は拒否がが見られました。
『膝が痛いから無理だよ』と。きっと痛みもですが、不安が大きかったのだと思います。
ただ私が手伝うことを力説すると、不安よりもトイレに行けることが勝ったのか、
トイレに行ってくれることになりました。
いざ行ってみると、立ち上がりはしっかりしており30秒程度は立てました。
なので、
①車椅子から便器に座ってもらう
②もう1度立ってもらってズボンとパンツを下ろしてもう1回座ってもらい排泄する
という通常1動作でやるところを2動作に分けて、安全にも配慮して行いました。
結果としてその方はおトイレで排泄することができました。
その時の発言として忘れられないのが『うんちは出ないよ』という
一言でした。
これはAさんは尿意も便意もしっかりしている。
ただ連れてってもらえなかったからムツに排泄していたんだな…
と、感じた事例でした。

発言が変わった!!

最初はとてもネガティブな発言が多かったその方ですが、今ではポジティブに色々話をしてくれて
私のこともなんとなく顔を覚えてくれたようです。
一度、立ち上がりの後のケアが不十分で膝折れしてしまい尻もちをついたことがありました。
が、あとは毎回成功してしっかり用を足すことができています。

日々のケアでも

私たち介護職は、その都度関わる方のアセスメントをしています。
実は脳内で介護過程の展開はしています。
言語化できていないのです。
ただ介護過程を展開する上で必要となるのは、資料としての情報です。
・経験が少ない方
・指導がちゃんとできていない方
・自分で考えていない方
はこの自分の中での資料や経験、考えることが少なくなっているため対象者に対応できる、
提供できるスキルの引き出しが少なくなります。
そうするとご利用者は十分なケアが受けられず仕方ないな…
という諦めに至り、ADLがどんどん低下していきます。
結果として廃用症候群になってしまったり、自分がやりたいことの一部を諦めざるを得なくなって
いきます。
介護の仕事はご利用者が『諦める』こと。これを防止できるような素敵な仕事だなと思っています。
左足の拘縮があるけどなんとか右足を使って立てるから、スタッフが抱えながら行ってる方もいます。
私も自分が要介護5になったとしても、最後までトイレに行きたいなと思うんです。
自分がどうしたいかがあるから、
・ご利用者に対してどうしてあげたい
・どうしていきたい
こういった考えができるのかもしれません。
ただ介護はチームで行うことですから私個人の考えや、トップダウンでやってくださいということもありますが、
担当者と相談しながらその方に何が1番合うのかその時のベストをベストなケアを提供していきたいと思います。

排泄ケアの基本

私の排泄ケアの基本と考えているのは
・その方がどこで排泄したいか
・どういった方法でしたいか 
です。
基本的にトイレで排泄することを希望することが多いでしょうから、
トイレに行けるためには、どのような工夫ができるのか?を考え相談して実行していくことにあると思います。

ご利用者の満足と『ありがとう』の笑顔がたくさん見られるように、これからも善処していきます(^^)/

今回はここまで。読んでいただきありがとうございました。


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