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前大僧正慈円が百人一首に残した作品は?

前大僧正慈円さきのだいそうじょうじえんが百人一首に残した作品は、、、

─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆掛詞
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
★関連動画
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☆作品

♪ おほけなく
  憂き世の民に
  おほふかな
  わが立つ杣に
  墨染めの袖

です。

読みは、

♪ おおけなく
  うきよのたみに
  おおうかな
  わがたつそまに
  すみぞめのそで

となります。

3句切れ。


☆意味

おほけなく
   (身分不相応であるが)
憂き世の民に
  (このつらい世の中の
         人々を)
おほふかな
   (覆ってやろう
    保護してあげよう)
わが立つ杣に
  (私が入り住みはじめた
        比叡山で)
墨染めの袖 (墨染めの袖で)


☆掛詞

5句「墨染めの袖」

「墨染め(すみぞめ)」と「住み初め(すみぞめ)」


☆文法解説

1句「おほけなく」は、「身分不相応である」という意味です。

2句「憂き世」は、「つらい世の中」という意味で、
平安時代末期の保元・平治の乱など戦さが続いていた荒んだ様子を指します。

3句「おほふかな」は、「覆ってやろう」という意味です。

何をもって覆うのかというと、5句「墨染めの袖」で覆うのです。  

僧侶の袖で民を覆うとは、仏のご加護を人々の上にあるように祈念することだそうです。

仏法によって万民を保護することを意味します。

「かな」詠嘆の終助詞


4句「わが立つ杣(そま)に」の「杣(そま)」とはここでは比叡山のことです。

一般に「杣(そま)」とは、植林した木を切り出す山のことです。


☆鑑賞

僧侶として、疲弊した人民を救済しようと思って詠んだ歌です。

☆出典

『千載集』雑中・1137



★関連動画


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