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藤原基俊が百人一首に残した作品は?

藤原基俊が百人一首に残した作品は、、、

─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆縁語
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
★関連動画
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☆作品

♪ 契りおきし
  させもが露を
  命にて
  あはれ今年の
  秋もいぬめり

です。

読みは、

♪ ちぎりおきし
  させもがつゆを
  いのちにて
  あれことしの
  あきもいぬめり

となります。

太字一カ所が変わります。


☆意味

契りおきし
   (忠通さまは
    約束なさいました)
させもが露を
   (その恵みのお言葉を
     させも草に置く
       露のように)
命にて
   (命のように
    大切にしていたのに)
あはれ今年の
      (あぁ~今年も)
秋もいぬめり
     (秋が過ぎ去って
      いくようです)


☆縁語
2句:置く、露


☆文法解説

1句:「契りおきし」
 カ行四段活用「契り置く」の連用形
「し」過去の助動詞「き」連体形
「約束なさいました」と訳す

誰が約束したのかというと、
前太政大臣藤原忠通(さきのだいじょうだいじんふじわらのただみち)です。

2句「させもが露を」
「させも草(ヨモギ)」に置く露のことで、

転じて「恵みの言葉」という意味です。

平安時代にはヨモギは万能薬だったそうです。

3句「命にて」は「命のように大切して」という意味です。

4句「あはれ今年の」は、「今年もむなしく」という意味です。

「あはれ」は感動詞で「あぁ」という意味です。

5句「秋もいぬめり」
  漢字では「去ぬめり」
  「めり」は推量の助動詞

「秋が過ぎ去っていくようです」という訳す


☆鑑賞

藤原基俊には、光覚という法師の息子がいました。

当時のエリート・コースとも言える、

興福寺の維摩経(ゆまきょう)の講師(こうじ)にさせたいと願っていました。

しかし、光覚法師は、毎回落選していました。

そこで、藤原基俊は、

前太政大臣藤原忠通(さきのだいじょうだいじんふじわらのただみち)にお願いしました。

何とか息子の光覚法師を当選させようとしました。

前太政大臣藤原忠通は、
「よし! 任せておけ!」
と答えたそうです。

しかし、翌年も光覚法師は落選してしまいました。

藤原基俊は、
「約束なさいましたよね?」
という想いでこの歌を詠んだそうです。

藤原基俊の息子の光覚法師の落選を嘆いて、このような歌を詠んだのです。

☆出典
『千載集』雑・1023


★関連動画


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【藤原基俊】

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