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参議雅経が百人一首に残した作品は?

参議雅経が百人一首に残した作品は、、、

♪ み吉野の 山の秋風 小夜更けて
  ふるさと寒く 衣うつなり

です。

読みは、

♪ みよしのの やまのあきかぜ さよふけて
  ふるさとさむく ころもうつなり

となります。

この歌は、古今集に収録されている坂上是則の下記の歌を

本歌取り(ほんかどり)したものです。

♪ み吉野の 山の白雪 つもるらし
  ふるさと寒く なりまさるなり
  (吉野の山の白雪は降り積もってゆくらしい。
 そのふもとの奈良の旧都も寒さが加わってゆくという)

上記の歌は、百人一首には収録されておらず、

百人一首に収録された坂上是則の歌は、31番、

♪ 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに
  吉野の里に ふれる白雪
  (夜がほのぼのと明けるころ、
   有明の月の光かなと思うほど明るく、
   吉野の里一面にふっている白雪だなあ)

です。

参議雅経の歌に話を戻します。

詞書きに《擣衣(とうい)》と
あり、《衣を打つ》のは、
《砧》という棒であるとわかります。
砧で衣を打つのは、現代のアイロンがけに相当します。
布をやわらかくしたり、つやを出したりするために

砧(きぬた)という柄のついた太い棒で打つことです。

女性が夜にした仕事だそうです。

☆文法解説

1句「み吉野の」の「み」は、美称(びしょう)と言います。

吉野は、桜の名所として名高い今の奈良県吉野郡吉野町のことです。

3句「さ夜ふけて」
  「さ」は、接頭語

5句「衣うつなり」は、漢字で書けば「打つ」です。
  《なり》は、推定の助動詞
詳しくは、


み吉野の  (吉野の)
山の秋風  (山の秋風が吹き渡る)
小夜更けて (夜が更けて)
ふるさと寒く(かつての都は寒く)
衣うつなり (衣を打つ音が響いている)

晩秋の寒々とした情景を詠んだ歌です。

出典は、
★新古今和歌集 秋下483



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【参議雅経】

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