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大江千里(おおえのちさと)が百人一首に残した作品は?

大江千里(おおえのちさと)が百人一首に残した作品は?

─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆倒置法
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
★関連動画
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☆作品

♪ 月見れば
  千々にものこそ
  悲しけれ
  わが身ひとつの
  秋にはあらねど

です。

読みは、

♪ つきみれば
  ちぢにものこそ
  かなしけれ
  わがみひとつの
  あきにはあらねど

となります。

3句切れ。

是定親王の歌合わせで詠まれた和歌。
22番:文屋康秀の和歌も
是定親王の歌合わせで詠まれた和歌。


☆意味

月見れば (月を見ていると)
千々にものこそ
     (数限りなく
  自分を取り巻く物事が)
悲しけれ  
   (悲しく感じられます)
わが身ひとつの
    (私ひとりを
    悲しませるために)
秋にはあらねど
   (秋が来たわけでは
  ないのだけれど・・・)


☆倒置法

上の句と下の句

☆文法解説
1句: 見れば
マ行上一段活用
《見る》の已然形
+接続助詞《ば》
恒常条件

2句:ちぢにものこそ
3句:悲しけれ
    「こそ」係助詞
    動詞「悲し」
    の已然形
《まさに様々なものが
  悲しく感じられる》
と訳す。

5句:「あらね」
   打ち消しの助動詞「ず」



☆鑑賞

秋は悲しい季節、という感覚が平安時代に定着したようです。

大江千里(おおえのちさと)は、月を眺めていて、悲しみにくれていたのですね。


☆出典
『古今集』秋上・193

☆関連動画


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