休職日記 〜タイムリミット〜

 最近はバタバタとしていて、全然日記を更新していなかった。元々この日記は休職したけど日中吐き出す場面がなかったので書くことにしたのだが、実生活でやることが増えるとどうしても後回しになってしまう。習慣化するのが意外と難しい。

 ここ数日で結構大きな決断をした。まず、今の仕事を辞めて実家に戻ること。休職期間中もかなり悩んだが結局そうすることにした。関東で一人暮らしをしていてまた実家に戻ることは、自分にとって正直都落ち感があって、未練がないかと言われれば嘘だ。そして、仕事を辞めるということも精神衛生的には不安が大きい。

 では、なぜ実家に戻ってくることにしたのか。まず、関東に住むメリットが今どのぐらいあるのかということ。学生時代は発散という意味においては、幾分都心のメリットを享受できていた方であると思う。ただ、30代に入り、例えば仕事帰りに夜のイベントに顔を出すような、そういう体力・行動力が格段に落ちた。自分が満員電車に乗って通勤できる姿が想像できない。もっと公私のバランスをうまく取れれば時間をとって色々なところに出歩くことができるのかもしれないのがそういう部分が自分はかなり要領が悪いし、休日は結構寝るのでなおさら近くに出かける程度で終わってしまう。そして、おそらくこのぐらいの年齢で陥りがちだと思うが、都会の喧騒から離れてなにかDIYしたり植物を育てたりみたいなことをやってみたい気持ちが大きくなった。都会に住んでた人が地方に移住したくなる気持ちが今はよく分かる。子育てしたい人はなおさらだろう。

 二点目は将来的な役割を考えた結果地元にいた方が良いのではないか、ということである。自分には兄がいるが、自分に比べて格段に社会的に優秀なので、まず、地元に帰ってくることはないだろう。しかも、既婚子持ちである。まず、家族優先、仕事優先になるはずだ。そうなると、高齢になってくる親に何かあったときに、もしくは自分に何かあったとき、お互い近くにいた方が良いのではないかと考えた。別にそう直接言われたわけでもないし、自分がまた仕事で遠くに行っても特に止めはしないだろう。ただ、逆に遠くに住んでまで何かするべきことがあるわけでもない。幸い?独身で、まだ自由に動ける方の身だ。客観的に見てだれが近くにいた方が良いかと言われたら自分であろう。

 三点目は人間関係の構築に関してである。例えば、今かかっている心療内科もそうだが、住み慣れない土地では病院にかかったりインフラを把握するのに少し時間がかかる。意外とその土地で評判の良い病院等を調べるのは難しい。病院だけでなく、なんとなく長く住んでいると分かるその土地の雰囲気、例えば、この場所は何度もお店が変わってるとか、治安が良くないとかそういうなんとなく住んでて知っている土地勘というのは結構財産だったりする。今までそんなことは思わなかったが、昨年こんな話を聞いた。関東に住んでるときに近くのバーにフラッと立ち寄ったのだが、違うバーを経営している常連さんがいて少し話しをしてくれた。その中で「10年バーを経営しているけどこの街のことはマスターに全部教わったから感謝しかない。」と言っていた。それぐらい、その土地がもつ歴史というのは重要な要素だということだろう。そんな感謝もあってか常連さんは勘定を多めに払っていた。
 転勤があったときになにが辛いかと言うと、上記のような部分である。自分は独身だからまだ病院ぐらいの情報を知ればいいが、これが家族になると学校、保育園、習い事、安いスーパーなど調べることがたくさんある。自分は転勤族ではないから経験したことはないが、年齢を重ねるにつれそういったことが多大なストレスになるだろう。その分精神的にたくましくなるかもしれないが。そういった部分において、いずれ地元に戻ることを考えれば上記に書いた部分を早めにクリアにしておいて、行きつけのお店でも作って交流を深めるのも悪くない気がする、と考えた。

 以上が、地元に戻る大きな3つの理由だ。他にも細々としたものがあった気がするが、概ねこのような理由からだ。しかし冒頭に書いた通り、未練たらたらだ。本当にこのタイミングで良いのか。都会の方が仕事もあるし、自由に行動できるし、価値観が会う人に出会える確率は上がるかも知れない。いざ、引越しの手続きを進めてから急にそんな後悔めいた感情が襲ってきた。自分でも意外なほどに。多分そうさせるのは、20代地元に一度戻ったときにいい思い出があまりないことや、もともと都会に憧れて上京したのでその思いが強いからであろう。ただ、上記に書いたような不確定な要素に憧れる時期ではないとも言える。確率的な話であるなら、幸い地元も福岡で地方都市としては栄えている方なので、出会い的な面がないわけではない。というより、今まで散々関東にいて色々な出会いがあったはずなのに、そのチャンスを掴めていなかった。今にして思うと20代でビジネスパートナーを見つける、もしくは少しでもいい企業に入って、何かしらの基礎を積んで地元に戻るというのが理想だったと思うが、幼くてそんな実行力が皆無だった。そして、なんとなく他力本願ではないかと思うようになった。そういった関東に出て培ったものがないから、都落ちのような感情を抱いてしまうのだろう。

 ただ、もうUターンに向けて動き出した。転職活動も証明写真を撮り、Web履歴書を記入して少しずつではあるが気になった企業に応募している。半年休職して今の精神状況だと面接のときを想像すると吐き気がするし、いざ、働き出しても週5で働けるかも未知数だ。しかし、実際に悶々と考えるだけでは何も見えてこないし、想像もできないので、きついが実際に手を出してみて現実を知るしかない。

 今後、地元の就職がうまくいったとして、もっと広い視野で見られるようになったらまた今の思考と変わっているかも知れないし、また違う場所に住んでも良いかなと考えられるようになっているかもしれない。そう思えるように、少しでも自立マインドを養っていければいいかな、と考えている。

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