休職日記 〜正式に無職に〜

 なにか休日に誘いがあったとして、断りたいときになにか理由を言わないといけないということを学んだのだが、理由を言ったとしても諦めてくれないことが多々ある。一番崩されがちなのは楽器を練習したいとか、寝たいとか、自分が予定をずらせば時間は作れてしまうパターンだ。なぜか相手はそれを予定とみなしてくれず、そういうのは後からでもやれるでしょ?的な感じで口説こうとする。その次に諦めてくれないパターンは、短い予定が入っているとき。買い物があるというと、それは何時までと聞いてくる。なぜそこまでして人を誘いたいのか、そして強引なのか。
 このような誘いがあった場合、一瞬で相手が諦めてくれる術が一つある。それが"デートに行"く。だ。なぜかこれを言うと何時に終わるか、とか一切聞かれず行ってこいで終わる。どうやら何よりも優先順位が高い高尚なことらしい。
 会社に属していても、似たような状況を味わう。例えば、退勤後や休みの予定を聞かれたとして(基本的には聞いてはいけないのだが世間話感覚で聞かれる)、趣味の予定を言うと緊急の仕事が入ったとき、予定を潰されて残業しろよ的な空気になるのであるが、デートや合コンと言うとなぜか周りのメンバーが仕事やっとくからお前は行ってこいみたいな空気になり、急に当事者ではない人の気合いが入りだす。
 自分はこの風潮が本当に嫌いで、人のストレスの発散の仕方はそれぞれなのに、なぜか優先順位をつけられてしまう。私の友人が言っていた、「独身の予定があると既婚の予定があるとでは重みが違う。」という言葉が端的にその現象を表していると思う。
 もちろん既婚者、それも子持ちであるとなおさら忙しいのは重々承知している。男女ともに育休を取ることも反対しない。ただ、その分、独身者が発散できるはずのストレスが発散できず、仕事を請け負っている事実はわかってほしい。本来独身だろうが、既婚だろうが、立場は対等のはずだ。日本全体として、独身者は増えているらしいので今後そういう声も大きくなっていくかも知れない。

 何のことについて話したいのか忘れてしまったが、11月末に正式に無職になった。今まで何となく会社に所属していた気持ちと、適応障害発症からかなり回復してある程度体が動けるようになり、もてあましている状態と、空白期間が伸びている状況をひっくるめて少し焦りを感じ始めている。転職活動も、渋っていたエージェントに手を出し、とりあえず片っ端から応募している。が、基本は書類で落とされる。当たり前かも知れないが印象の良い求人ほど落とされるから流石に落ち込む。そして、熱量の低いところほど面接に行くから結局辞退することになってしまう。なんだか、恋愛と同じで理想が高いのかとも思ってしまう。確かに、たいした実績もないのに大手の求人ほど目についてしまう。やはり、転職というのは自分に脂が乗っているときにやる方が断然良いと思う。野球の話になってしまうが、先日楽天の島内選手が複数年契約の最中にも関わらず、今の球団ではモチベーションが上がらないのでFAをしたいと球団に直訴したということを会見で表明した。これは2年前に複数年契約を結んだが、自分と同じような成績を残したFA選手がはるかに自分よりも高い金額で契約を結んだことを聞いてやるせなくなったのだろうと思う。島内選手の発言の功罪はさておき、このような出来事を見ていると自分の価値を見定めて給料を釣り上げるということは案外難しいのではないだろうか。少なくとも島内選手に関しては2年前の契約時は最大限に評価してもらったと言う旨の発言をしているし、その後も打力に磨きがかかり好成績を叩き出せると自身も思っていなかったのではないだろうか。対照的に、FAして複数年契約を結んだ選手が期待外れの成績だったり、すぐに怪我をしたりしてファンから叩かれるのはよくある話だ。ただ、どんなに叩かれようがお金は入ってくるのだから、プレッシャーは半端ないかもしれないがお金の心配は他選手よりも少ないだろう。これだけ野球の話をして何が言いたいかというと、一度給料が上がればその後なかなか下げづらいということだ。特にサラリーマンで役職がついた場合、どんなにパフォーマンスが悪くても、急に給料が半分カットにならない。最近、"働かないおじさん”なるものがワードとして出てきたが、会社版の死刑囚みたいなものか。おそらく、バリバリ体が動けていた頃は頑張っていたかもしれないが、今はその面影もなく若手からは嫌われてるような人たち。定年まで遮二無二働けとは言えないが、忙しくしている自分とは対照的にネットサーフィンでもしている上司をみているとイラつく気持ちもわかる。そういったリアルが今段々と表出しているかもしれない。

 自分の転職活動に話を戻すが、先述した通り、面接までこぎつけることはあっても、手応えは芳しくない。この感じだともう少し長引きそうなので、年があけたらバイトをしようと思っている。退職後も傷病手当金を申請しているがバイトをした瞬間それができなくなる。余談だが、社会保険組合に問い合わせたら、たとえリハビリの一環であっても出勤した時点で傷病手当金の申請はできなくなるようだ。もし、傷病手当金をもらいながら働きたい人は収入がバレない内職なり副業なりを見つけた方がいいだろう。自分の場合、もう半年も休職して社会と関わらなかったので、傷病手当金をもらう方がはるかにお金をもらえても、なにかしらの労働をしたいと思っている。自分の精神衛生上、自力で稼いできたという自負が少しでも欲しいらしく、傷病手当金をもらっていてもラーメンのトッピングを買い足すことさえもできなくなる。というより外食含めて全てが贅沢だと思ってしまうのである。経営者からするとこれほどのマインドを持った人はありがたいのかもしれない。ということで、雇ってくださいよお偉いさん。

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