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横領がおきる会社の特徴

経理など、会社のお金を管理する人の不正が
定期的にニュースになる。
「〇〇県にある建設会社の会社員(55歳)が10年に渡り、
1億円を着服していたことが発覚」みたいのである。

一体なぜそんなことが起こるのか?
もし本気でそう思った人は、ちゃんと考えたほうがいい。
十分起こり得るし、自分も決して例外じゃない。

はじめから、くすねる気満々な人はあまりいないし、
もしいたらお金の管理など任せてもらえない。
はじめは、まっとうというか、どちらかというと
信頼できるタイプの人なのである。

変質するにはある程度の時間が必要だ。

業務に慣れてきたころ、こんなことがある。
会社の備品を買いに行く。金額3万円。
自分で立替えられない。
金庫から3万円取り出し買いにいく。
帰ってきてから出金伝票を作る。

またこんな事もある。
「今日は金庫開かなかったから、締め作業がないわww」
と思ったら定時ごろに精算にきた。
金庫開けたくない・・精算金は300円・・
自分の財布から300円を出す。
翌日、自分が金庫精算する。

締めで、金庫のお金が合わないことがある。
1円少ない。数え間違えか。3時間探す。
報告すると「1円を探して3時間残業?」
と言われる。
しばらくすると今度は10円足りない。
今日はこれから子供の誕生日ケーキを取りに
行かないと・・自分の財布から10円取り出し
金庫に入れる。
しばらくして、今度は10円多い。
「前回、自分の財布から出したから」と
今度は自分の財布に10円入れる。

ここまでを不正とするかどうかは、分らないが、
金庫の帳尻合わせは、絶対してはいけない。
いろいろダメな理由はあるが、自分の財布で
帳尻あわせると、かなりの確率であとで、
もう一回帳尻が合わなくなる。
どっかに10円が挟まって発見してしまうとか。
伝票が変なところから出てくるとか。
そうすると・・嘘に嘘を重ねるはめになる。
嘘に嘘を重ねるがダメな理由は、
弱さゆえの嘘は、必ずしも悪とはいえないが、
隠蔽のための嘘は、悪だからだ。

悪に踏み出したあとは、状況次第で転がり落ちる。

自分の財布と金庫の境目があいまいになり、
財布忘れると、ランチの千円を金庫から自分に仮払する。
仮払い伝票は作らない。どうせ自分で精算するから。
何回もやってると金庫から千円かなのか
2千円出したのかあやふやになる。
いや、実はわかっているが。
実は、財布も持ってきているが、そのことを
一時的に忘れてしまうことが多発する。

ここまでくると罪悪感は、だいぶ薄くなる。
だんだんランチを自分でだすのが馬鹿らしくなり、
飲み代を出すのが馬鹿らしくなり・・
どこまで行くかは、状況次第だ。

状況とは、自分と会社の状況だ。
キャバクラ・趣味にはまる、身内が借金するとか。
経理が一人しかいないとか、上司が無能とか、
経営者が数字をちゃんと見ていないとか。

こういった事態が生じて、一体だれが悪いのか。
一目瞭然、くすねた人が悪いが、
経営者であれば、怠慢もここまでくると罪だと
考えるだろう。

「あの人は信頼できるから任せられる」
と言っている経営者は、
その怠慢が不正を誘発することに
気づかなければいけない。

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