こんな時どうする 〜嘔吐編〜

ここでは動物病院に勤務している中でよく見かける症状について参考程度に考えられる疾患を記載していきます。

あくまで参考にとどめてください。

例えばペットショップからお家に来たばかりのワンちゃんの嘔吐と糖尿病治療中の猫ちゃんの嘔吐では考え方が全く異なってきます。

なにかの病気の治療中である場合はこの記事を読むのを止め、お近く又はかかりつけの獣医師に判断を仰いでください。



さて、動物病院に来院される方でトップレベルの来院理由は嘔吐です。
先程例えを挙げましたがおうちに来たばかりの子が吐くというのはよくあるケースです。

原因はストレスが多いと言われています。

急激な環境の変化に身体がついていかずストレスから吐いてしまったり元気がなくなったり、ごはんを食べなくなったりしてしまいます。

お家にお迎えした際は構いたい気持ちを抑え2,3日は静かに環境に馴れさせてあげるようにすることをオススメします。

また若い子であれば食物アレルギーの可能性も上がってきます。人間でもアレルギーの方が増えていると言われておりますが私の体感、動物にも当てはまるような気がします。

さらに何回も続けて吐く場合はなにかの異物の誤食も考えられます。おうちで遊んでいるおもちゃやそのパーツが無くなっていたり、ゴミ箱を漁る癖があったり、散歩中に拾い食いをしてしまっていたり…。

異物が胃にある不快感から嘔吐する場合も胃から腸に進行してしまいそこで詰まることで起こる嘔吐のどちらの場合もあります。
前者は何回も続く嘔吐で異物が出てきてくれれば安心です。
後者の場合は最悪手術が必要になります。

異物の誤食は飼い主様の努力で防げます。おもちゃで遊ばせっ放しで目を離したり、クセだからと諦めずにしつけを学ぶことで悲しい事故を防いでいただきたいです。


また、大型犬を飼っている方に知っておいて頂きたい嘔吐の原因が胃拡張捻転症候群と言われる病気です。

身体が大きいと胃も大きいため食べてすぐ激しい運動をすることで胃が捻れて(捻転)してしまう病気です。
捻転してしまうと胃の出入り口が塞がってしまうため物が出ない嘔吐(空嘔吐)をします。

一分一秒を争う緊急性が高い病気になりますので、すぐに病院に受診してください。

大型犬ということ、食後に起きたということ、空嘔吐ということを病院に伝えてから受診するとスムーズに処置が行なえます。

飼い主様でごはんのあとには運動させない(運動してからごはんにする)の対応で予防が出来ますので頭に入れておくことをオススメします。


これ以外にもホルモンの異常や、腫瘍、様々な病気でも嘔吐は起こります。

嘔吐に加え元気なくぐったりしたり、排泄していなかったり、下痢をしていたり、食欲がなかったり、他の症状もある場合は病院受診を考えてください。


最初に書きましたがあくまで参考だけにするようにお願いします。この記事や、ネットの情報だけで飼い主様が自己診断することは危険が伴います。

この次もどうぞよろしくお願いします。


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