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好きなものの記憶 セレクトショップ

大学生の頃、私はセレクトショップに魅了されてました。洋服は、ほぼセレクトショップでした。
一点ものの鮮やかなシルクのスカートとか、フリンジがついたものとか。着るには勇気がいるものもありました。
けど一人暮らしの部屋にそういう洋服が増えていく事に満足してました。見てるだけで、気分が上がりました。
洋服を見に行く時には、1人で行く事も多かった気がします。
仲良しの友達は、デパートで洋服を買う派でした。
私も、デパートは大好きでしたが、洋服はやはりセレクトショップで自分の気分の上がる物を買うのが好きでした。
バイト代も洋服を買うことに使いましたし、季節が変わる前には親に洋服代をおねだりしてました。
洋服は消耗品なので、あの頃のものは一つも残っていません。私の中に記憶が残っているだけです。
お店の匂いや、青山や代官山の裏通りとか、疲れて入ったカフェとかが、洋服の思い出と一緒に記憶されています。
洋服を見る目は養われた気がします。あれだけ時間もお金も費やしたんで、当たり前だと思います。知らぬうちに、勉強したかのように吸収したのだと思います。
整理されているわけではありませんが、感覚でつかんでいる気がします。

社会人になってからは、セレクトショップ巡りをする時間はなかったので、ドンドン足が遠のきました。
その後、子育てなんかしてると、洋服を買いに行った記憶すらあまりなくて。

そんな洋服を買った記憶がない頃でも、ママ友や近所の人に洋服を褒められる事がありました。セレクトショップに鍛えられたからだなとひそかに思っていました。

あの頃、足繁く通った裏通りにひっそりあったようなセレクトショップが、今はデパートの中にあったりして。
それをみると、記憶が蘇ります。
お互いいる場所が変わりましたねって声をかけたい気分です。
私も変わりましたから。成長しました。


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