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小学校の通学路

小学3年で、2回目に転校した学校は、アパートからずいぶん離れていました。
朝はアパートの小学生が集まって、集団登校!
6年生が先導して、学校に行くのです。
初めての登校の時、びっくりしたのは、先導の6年生について行くのですが、道なき道を通って行くのです。崖の斜面を降り(雨の日は滑って大変でした。)
なんと、他人の家の庭を通って行くのです。
その家では、開け放たれたお茶の間で、家族みんなで朝ごはんを食べていました。
子供達はみんな平気な顔をして、元気に挨拶をして通り過ぎました。
溝の蓋の上も通ります。薮の中も通ります。
狭い道ばかり通ったのですが、無事、学校に到着するのです。

帰りはみんなバラバラで帰ります。
アパートに帰る友達がいたので一緒に帰るのですが、また、違う道でした。
冒険しながら学校に通うのです。

その友達は、前にも記事にした子ですが、帰りに色々な情報を教えてくれていました。
「ここの家の犬は、塀にちょっとでも近づくと吠えるからここでは道の反対側を通るのよ。」とか、
「ここの家の脇のこの木は、「木苺の木」だから、実がなったら美味しいわよ!」

本当に美味しかった木苺


とか、
「ここでは、お地蔵さんに手を合わせるのよ」
とか、
「ここの木の下を通る時は、カミキリムシがいるわよとか」(実際、その木の下を通って帰ると、背中から「ギーギー」と、ゴマダラカミキリが乗っていたことがありました)

ゴマダラカミキリ

そして、
「ここの井戸の水はとても美味しいのよ」

と道沿いのお宅の戸口を叩いて、
「おばちゃーん、お水ちょうだい❗️」と
ずーずーしく、お水を貰うのです。
おばちゃんは、私達をにこやかに招き入れ、冷たい井戸の水で、喉を潤させてくれるのでした。
水筒を持って学校に行くなどは無かった時代、学校から遠い家に帰るのに、最高の給水場でした。
学校帰りの子供達は次々とお水を貰っていました。

昔ってなんておおらかだったのでしょう❗️

やっと帰り着いたのも束の間、また、放課後の学校に行って、日が暮れるまで校庭で遊んでいました。


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