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音楽をたくさん聴いてみた。

 自分で言うのもなんだが、私は結構、多趣味だと思う。いずれも誇れるようなものではないが、そもそも、趣味=個人研究という定義の私にとっては、他人と競うようなものではないので、あまり気にしていない。

 ここ4ヶ月あまり、音楽を聴く趣味が再燃した。その分何をしなくなったのかと言うと、数学や、日本史や、ゲームや、サッカーや、その他諸々に時間を使わなくなった。
 多趣味の良いところは、一つに飽きてきたところで、他のことがすぐにできることだ。
 今は、ゲームが再燃している。今更ながら、「原神」を始めた。ゼルダのいいとこ取りのようで、面白い。

 この4ヶ月で、350枚くらいのアルバムを聴いた。すべて記録し、一口感想や星取り表を作って、自分の嗜好系統を客観的に見ることができた。これがなかなか興味深かった。
 この表は発表年月日順になっている。それぞれの前後関係が見えて、もしかしたら世界史と関連すると非常に面白いのではないかと思うが、そんなことはすでに色々な人がやっているだろう。

 また、アルバムの選曲にあたっては、多くのマニアの記事を多数参照した。ここに上げることで、その人たちの閲覧数に少しでも貢献したい気持ちもあるが、もしかしたら悪い影響があるかもしれないので、それも躊躇われている。

 クラシック以外の音楽、特に、ロック、ジャズ、フュージョン、ヒップホップ、ポップスなど、基本的にはジャンルレスに聴いてみた。音楽だけを聴くと言うことはなく、何かをしながらというのがほとんどのパターンである。こうしたところに、もしかしたらマニアは憤慨するかもしれない。
 クラシックも、いずれ聴いてみたいと思っている。

 基本的には、オリジナルアルバムを聴いたが、一部、ライブも聴いた。このあたりは、特にこだわりはない。オリジナルアルバムの方が、ベストアルバムより、アーティストの意志が入っていると思っていて、優先して聴いた。

・多様性のあるアルバムが好みらしい

 例えば、ZEPなら、「IV」よりも「III」や「Physical Graffiti」の方がよかった。ビートルズなら「Revolver」。「White Album」もいいが、長すぎる。フィッシュマンズ「Long Season」は1曲の中での多様性が素晴らしい。一つのアルバムの中で、よりたくさんの意匠が感じられるのが好きらしい。

・はっぴいえんど周辺とは相性が良いらしい

 小坂忠「ほうろう」や、矢野顕子「Japanese Girl」、もちろんそれぞれのソロ作も。なんとなく、シティ・ポップへの流れが見えてくるのが面白い。でも元々彼らが指向していた「Buffalo Springfield」の1stとは全然音楽性が違うのも興味深いところだ。プロにはわかる繋がりがあるのかもしれない。
 大瀧詠一の声と山下達郎の声がそっくりだという説を、ここで唱えたいと思う(笑)。

・1時間以上のアルバムはそれだけで低評価になるらしい

 特にヒップホップや、最近のR&B系、The 1975などに顕著だが、それだけでうんざりしてしまうようだ。
 長いと言うことは、「似たような曲がある可能性」「1曲が長くてだれる可能性」が上がると言うことが、経験則から導かれているのだろう。それはつまり、「多様性」とは相反するため、辻褄はあっているように思われる。30〜40分前後が最も望ましいらしい。

・シンプルな演奏、生バンドっぽい音が好きらしい

 サザンで言えば、「綺麗」がよかった。それより前は色々音を足しすぎているような印象。
 B'zも1stは最悪だった。もっと後のシンプルな路線になると途端に素晴らしい。
 ミスチルは「深海」、スピッツは「名前をつけてやる」「フェイクファー」あたりがよかったのも、同じ理由かなと思う。
 これはつまり、ストロークスの1st、ルー・リード「Transfomer」なんかの好みに通じる。

・「世間」がいう名盤には好みが合わない場合が多いらしい

 これは、まあ、当然と言えば当然だろう。
 例えば、マイルスは「In a Silent Way」が断然素晴らしかったが、名盤と言われるのは次の「Bitches Brew」だ。しかしこれがさっぱりわからなかった。
 ストーンズやボウイはそこまで合わなかた。初期ストーンズの「Let It Bleed」は好きだったが、他のアルバムはもう一度聞くかは微妙なところだ。
 ZEPだって一番よかったのは「Presence」だし、上記のサザン「綺麗」なんて選ばれているのをみたことがない。フィッシュマンズも、「空中キャンプ」より「Long Season」の方が素晴らしいと思った。フリッパーズ・ギターも「Three Cheers〜」の方が「ヘッド博士〜」より好ましい。
 やっぱり、自分で聞いて、自分で考えないとだめだな。

・テクニカルな演奏が好きだが、そればかりだと嫌味に聞こえるらしい

 フュージョン全般がそうかもしれない。ラリー・カールトンはOK。ブレッカー・ブラザーズは体調によってはアウト。ジャズのメルト・ユアセルフ・ダウンや、サンズ・オブ・ケメットやDOMi & JD BECKもOK。この辺りの違いはまだ明確に言語化できないが、もちろん、好みは大きく変わる可能性がある。

・ダンサブルな曲が好きらしい

 トーキング・ヘッズ「Remain in Light」や、New Order「Power, Corruption & Lies」、レディオヘッド「In Rainbows」、フランツの1stと4th、The Musicの1st、The Stone Rosesの1st、などなど。ビリー・アイリッシュやポリスの一部の曲もそうか。ベースやドラムが強い曲が好きなのかもしれない。

・オリジナルアルバムよりもライブやベストが良い場合もある

 マニアにもっとも怒られそうだが、あえて言おう。
 例えばQUEENは明らかにベスト盤の方が強い。ABBAもそうかも。Blurは、再結成ライブ「All the People」が最も良い。
 反対に、グレイトフル・デッドは、オリジナルアルバムも結構良くて、ライブのカルト的評価が上乗せされているのでは? という気もする。確かにライブは唯一無二で、陶酔感はあるから、名盤扱いなのも当然ではあるが。
 体調によっては、サザンとかミスチルとかの邦楽もその傾向が強いかもしれない。
 でも、だからといって悪いわけでは全然ない。むしろ凄みを感じる。

・スタイルを変えなくても良い場合もある

 これは、オアシスとストロークスに強く言いたい(笑)。

・オーソドックス(と思われがちな)ロックも結構好き

 前述のBuffalo〜や、CSN&Y、CCR、ドゥービー・ブラザーズなんかもそうかもしれない。
 何がオーソドックスなのかと言われると難しい。バンドサウンドが前面に出ていて、ライブを意識して作られている、ということかもしれない。

・ヒップホップはまだ勉強しなければならない

 アルバムが長いということも影響していると思う。ケンドリックやカニエなんかもまだわかっていない。一方で、RunDMCはロックとの親和性からか非常にすんなり聞けたし、ブルーハーブはかなりよかった。やっぱり根底にロックがあるからかもしれない。

・フォークとは相性がいいかもしれない

 シンプルな演奏が好みというのと繋がるかもしれない。吉田拓郎「元気です。」、金延幸子「み空」は特によかった。この2作が日本のベストだろう。
 S&Gもディランもよかったが、より洗練された、(ゲーム「原神」のような)いいとこ取りの日本の方がもしかしたら良いかも。柴田聡子の最新作もフォークだと思う。

・まだまだ知らない名作があることを改めて知った

 このリスニング経験がなければ、ボ・ガンボスも、きのこ帝国も、森は生きているも、グレイトフル・デッドも、CCRも、メタリカも、ポーティスヘッドも、七尾旅人も、インターポールも、フランク・オーシャンも聴かなかっただろう。いずれも素晴らしい作品だった。

 こだわりを捨てないと、何も得られないのだなあ。

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