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いじめの問題

いじめについて、学校の対応のまずさが度々報道されています。
いじめは許されることではありませんし、いじめが報告されたら学校として適切に対応するのは当然のことです。

いじめが報告された際の対応は、
①当事者(加害者、被害者)や周囲から話を聞く
②学級内でアンケート調査を実施する
③教員による見回りを強化する
④校内の教員に事実を共有する
⑤加害者に指導を行い、被害者にケアを行う
⑥関係各所に報告をする
といったことが挙げられます。

適切に対応していれば教員や学校が責任を問われることはありません。

いじめは学校にとっては日常になりつつ有るほど頻繁に発生しており、その多くは、適切に対処されていると思います。
報道に出てくるのは、学校の対応に何らかの問題がある、ごく一部でしょう。

学校の対応に問題がある場合、
単なる怠慢の場合もありますが、そうではなく対応したくても行き詰まってしまうケースも有ります。

いじめには、被害者と加害者がいます。
被害者と加害者の立場がハッキリしていれば、その後の対応はスムーズに進むはずです。

一方で、被害者と加害者が曖昧なケースが存在します。

例えば・・・
生徒Aと生徒Bは友達だとします。
休日には、どこかで待ち合わせをして、カラオケをしたり、ショッピングをしたりと、遊びに行く関係になりました。
生徒Aはルーズな性格で、集合時間に遅れることがしばしばありました。
1時間、2時間の遅れが当たり前のようになり、また生徒Aはワガママな性格で、それにも振り回されるようになってきました。
生徒Aが望むようにならないと不機嫌になったり、生徒Bに他の友達が出来ると、その生徒との関係を妨害するようにもなってきました。
いつしか生徒Bは生徒Aの誘いを断るようになりました。

この状況で、生徒Aの保護者が登場し、生徒Aは生徒Bからいじめを受けた(無視されている)と主張しました。

この場合、保護者からの訴えだけを見ると、被害者はA、加害者はB、ということになります。
しかし、学校が調査をすると、そう単純な構造では無いと分かってきます。つまり、結果だけを見るとA=被害者、B=加害者になりますが、過程を見るとA=加害者、B=被害者という構図も見えてくるわけです。

さらに、生徒Aの保護者が所謂モンスター化していると、生徒Aの保護者は学校を攻撃するようにもなります。
こうなると、生徒Aの保護者=加害者、学校=被害者という構図にもなり、誰が加害者で誰が被害者なのか、分からなくなってきます。

いじめについての各種マニュアルは、被害者と加害者がハッキリしていることを想定しており、曖昧なことは想定されていません。
ここに問題があります。

いじめが起こらないように教育することは、絶対に必要なことです。
これについては、各学校の仕事でしょう。
いじめの授業は、いじめの有無に関わらず、毎年、必ずすべきでしょう。

が、いったん、いじめが起こったときにどうするの?ということです。
一次対応は学校でも良いと思いますが、二次対応以降は国や都道府県、市町村等が積極的に関与しないと、適切な対処は出来ないようにも思います。

学校は教育機関であり、捜査機関ではありませんので、いじめ調査についても限界がありますし、私立学校であれば弁護士なりの第三者機関に依頼するとお金がかかるので、躊躇もしてしまうでしょう。

また、通信制高校においては、サポート校のような無認可施設(=監督官庁がない)も多数存在するため、余計問題は複雑です。
文科省や都道府県、教育委員会が一定の監督をするなり、認可制や登録制を導入するなり、何らかのシステム作りが必要でしょう。

いずれにせよ、現状のシステムでは、いじめ問題への対応が難しくなっている気がします。

ちなみに、加害者をかばう意図は全くありません。
もちろん、適切に対応できない学校をかばう意図もありません。
いじめ問題は思うよりも複雑で、現状の仕組みで解決するには無理がある、ということです。


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