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【映画評】ロベール・ブレッソン監督『湖のランスロ』(Lancelot du lac, 1974)
これは、中世を舞台とする映画の「中世らしさ」など虚構に過ぎないことを、その過激なスプラッター描写によって暴露した映画だ。同じく、メタ言語によってそれを告発したアーサー王映画、『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』(1975)と、だから双璧をなす映画なのだ。
だいたいアーサー王の時代に、全身を覆う鋼鉄製の甲冑は存在しない。つまりアーサー王や円卓の騎士は「いい加減な中世」に生きる、半ば以上に神話的な人物で、やることなすこと説得力はまるでない。これに比べれば一見出鱈目そうなブアマンの『エクスカリバー』(1981)の方が、原作たるトマス・マロリーの『アーサー王の死』(1485)に忠実なだけ説得力があるのである。
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