ハートの女王な彼女

彼女に強く責められたときも、
私は彼女を責めなかった。
何度も言い返そうとしたのに、
私は感情と言葉をぐっと飲み込んだ。

言ってしまえば苦しまなかったのだろうか。
未だに答えがわからない。
私は許そうとし、少し無視し、
何事もなかったように振る舞って、
今でも、配慮をやめられずにいる。

彼女は強くて、暴君のように振る舞う、
ダークサイドの人間。
それは彼女のせいか。
私が自分の美徳と思っていた部分は
みんな周りが懸命に私にくれたものだった。
それならば。

彼女との会話が全く意図しないうちに
張り合う形になっていく不快さ。
そのままの自分をさらけ出す気がない私は
ウォニョンが足の長さを短く修正するみたいな、
幸せにそんな補正をかけて、
彼女の前に立ち、負け続けている。

物凄く奢った言い方をすれば、
彼女が「幸せになる」のを待っていたのに。
どうやら望んだようにはならないらしい。
それもまた苦くて、暗い人生の一場面。






















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?