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小さな神様〜その後〜



ぼくは中学生になった

今は勉強や部活を頑張ってる

たくさんの友達に囲まれて毎日充実してるんだ

ともきやみくともずっと友達でいる

ともきとぼくはバスケ部に入って みくはマネージャー

ぼくたちは1年生だから まだまだ練習しないといけないけどね

「しん ともき 喉乾いたでしょ?はい!」

「ありがとう みく」

ぼくとともきは笑顔でドリンクを受け取った

先輩もみんな優しくて ぼくたちが入部してから バスケ部の雰囲気が変わったって言ってた

「みんな挨拶や笑顔がいいな 周りが明るくなるよ」

そう先輩達は言ってくれた

ある日部活が終わって3人で帰ってると

突然みくが言った

「ねぇ! 久しぶりに行ってみない?」

ぼくとともきは その意味がすぐに分かった

「そうだね あれから4年かぁ 習い事とか色々忙しくて行けなかったから 気にはなってたんだけどね しんは?」

「ぼくもなんだ 最初に出会ったのはぼくなのに 怒ってるかな?」

ぼくはこの出会いの事は ともきとみくだけに話していた

「だからぁ そんなに気になるんなら行ってみようよ!私もずっと気になってたし」




夏休みに入って部活も休みの日 3人で行くことにした

「ここだよね?」

「なんかさぁ 前と比べると暗いね」

「うん 草が生い茂ってる いるのかな?」

3人で草をかき分けながら進んだ

「あった!」

お賽銭を入れて鈴を鳴らして、、、

「鈴が鳴らないね」

3人で手を合わせた

すると

「し、、、ん、、?」

小さくて消えそうな声がぼくには聞こえた

「え?おにちゃん⁈おにちゃんなの?どこ?」

「おにちゃんいるの?しんには見えるの?」

ともきとみくは辺りを見回した

「声、、小さいけど微かに聞こえたんだ」

「この中かもしれないよ!」

「え!!みく!!勝手に開けたら、、、」

みくが勢いよくお社の扉を開けた

「しん!何かいる!」

ぼくとともきはお社の中に入った

「おに、、ちゃん、、?」

そこには 体が透け弱々しく息をする おにちゃんがいた

「しん、、大きくなったなぁ、、元気そうで良かった」

「おにちゃん!!どうしたの?なんで?なんでこんな事に?」

おにちゃんは 途切れ途切れに小さな声でこれまでの事を話してくれた

ぼくたちが神社に遊びに来てた頃は とても活気があって神社の木々もいきいきしていたこと みんなの笑い声 楽しんでる姿を見て おにちゃんや周りの木々も元気をもらってたこと
でも
みんな忙しくなって だんだん人が来なくなって   どんどん神社の周りの木々もおにちゃんも 元気がなくなったと、そう話してくれた

「しん、、ごめんな、、ずっと見守ってやるって言ったのに、、どうやらもう限界みたいだ、、おれはいずれ消えてなくなる」

「なんで?嫌だよ!どうしたらいい?ぼくに、ぼくたちにできる事は?」

「しん、、神様ってのはな お参りに来た人たちの笑顔や楽しそうな姿を見て 力を強くしていくんだ ここにはもう人は来ない、、おれの力も残り少ないんだ この地域を守る力も もうない、、」

3人で顔を見合わせた

「おにちゃんを消えさせない!ぼくたちが助けてみせる!」

次の日からぼくたちは毎日神社に行った

草を抜いて クモの巣をはらって

だけど 3人だと限界があった

ぼくたちは おにちゃんに甘えてたんだ おにちゃんが見守ってくれてるからって 

おにちゃんがいるこの神社にも来なくなった

おにちゃんがあの時ぼくに教えてくれたこと
それを
続けているから ぼくは今 たくさんの友達に囲まれて過ごせているのに ぼくは自分の事ばかり考えてた おにちゃんがこんなになるまで ずっと見守ってくれてたのに ぼくは ぼくは何をやってたんだろ 絶対 絶対におにちゃんを助ける!!

ぼくたちは周りのみんなに必死に声をかけた

1人また1人 手伝ってくれる友達が少しずつ増えた

バスケ部の先輩も手伝ってくれた

いつものように みんなで 草を抜いていると

ともきのお父さんが通りかかった

ぼくたちは この神社をもう一度みんなが参拝できるようにしたいこと ぼくたちの思いを ともきのお父さんに話した

すると
次の日 ぼくたちの両親や数人の大人が集まっていた

大人の人達が手伝ってくれたおかげで 神社はみるみるうちに元の姿に変わっていった

日差しが降り注いで 心地良い風も吹いて

木々も鳥たちもみんな喜んでいるように感じた

最後にみんなで 参拝した 

鈴の音が響く

「しん!」

「おにちゃん?」

見上げると 屋根の上に座る おにちゃんの姿がハッキリ見えた

ともきとみくにもハッキリ見えてるようだった

3人で笑った

「しん ともき みく ありがとう おれは やっぱりここが好きだ!」

おにちゃんがそう言って 優しく手を叩いた

すると 神社の周りが キラキラと輝き

優しい風が ぼくたちを みんなを包み込んだ

そこにいたみんなが 笑顔になった

おにちゃん おにちゃんはぼくたちを見守ってくれてる だから これからはぼくたちが おにちゃんの神社を守るからね

         おしまい

🌻最後までお読み下さりありがとうございます。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、固定記事にしている「小さな神様」初めて書いたお話しでした。以前、hohoさんに挿絵をお願いして再投させて頂いた時にコメントで「その後のお話しを」という声をいただき、いつか、いつか、、と思いながら先日ふと、このお話が浮かんだので投稿しました☺️

ヘッダーのイラストはTOMOさん。最初のお話しを書いた時ピッタリだと思いミンフォトからお借りしたイラストです😌

hohoさんに挿絵を描いて頂き再投した初回記事を貼り付けておきますのでよろしければ☺️


hohoさんの挿し絵入り↓

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