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2024年版中小企業白書・小規模企業白書を読んで。

みなさん、こんにちは。
行政書士の黒澤正人です。
本日は、5月に公開された「2024年版中小企業白書」を読んだレビューを簡単にまとめてお伝えします。
詳細は以下URLからも確認できますので、ご興味ある方はご一読ください。
この仕事につかなければ目にすることは、おそらく生涯なかっただろうなと感慨深く拝読しました。

今回は、細かい数字を記載するよりも、大枠のポイントをいくつかまとめた形にて共有させていただきます。今もすでに傾向が出始めていますが、これらが今後の補助金や助成金の柱になっていくことが考えられますね。

ポイント①「BCP策定について」
BCPとは「Business Continuity Plan」の略で、日本語にすると事業継続計画のことです。自然災害や大規模な事故、パンデミックなどの緊急事態が発生した場合に、企業が重要な業務を継続し、早期に正常な運営を再開できるようにするための計画です。具体的には、事業の中断を最小限に抑え、経済的損失を防ぎ、事業の存続を確保することを目的としています。
2023年の中小企業におけるBCP策定率は、全体の15.3%です。これでも上昇してきてはいるのですが、大企業が68.4%(令和元年調査)であることを考えると、まだまだ浸透しているとはいえないかもしれません。
浸透できてない理由として、ノウハウの欠如および人員・資金確保の難しさがあげられています。その対策として、中小企業庁や各自治体にてBCP策定にあたってのセミナー開催や必要経費の補助など対応を進めているようです。今後も増えてくるかもしれません。

ポイント②「人材不足からの省力化」
アフターコロナ、ポストコロナと言われ、売上高は全体的に回復している中で人材確保の難しさが浮き彫りになってきたようです。
2018年ごろから女性の雇用促進や高齢者の継続就業で対応してきましたが、それも頭打ちではないかと言われています。
次は外国人雇用が主となる可能性もありますが、言葉や文化の壁から、業種によっては就労自体が難しいケースもあるでしょう。
そこで、注目されているのが省力化への投資活動です。
ITやロボットを導入することにより人手不足を解消することが最大の目的です。それによって、生産性の向上が図られ、果ては賃金アップや顧客単価の上昇を狙います。
ただ、実現のためのアイディアが必要でしょうし、そのためには経営者の方々が自社の具体的な課題に気づけていることが肝心です。とはいえ、内部にいると社内の課題に気づきにくいこともあるでしょう。商工会に相談にいったり、思い切って第三者へ相談してみるのもよいかもしれません。
今後のスケジュールは未定ですが、省力化への投資を補助する事業がスタートする予定です。まずはページを参考に、自社内で検討されてみてはいかがでしょうか。
個人的には、とても応援したい分野です。

ポイント③「事業承継について」
データが存する2011年からは改善しているようですが、それでも依然半数以上の企業で後継者不足問題に悩まれているようです。中小企業では、親族承継の減少により約半数の企業で後継者が不在となっています。
一般的に、税金対策や育成の観点から企業承継には10年必要と言われています。2018年の中小企業庁の演説にて、2025年には70歳(一般的な引退年齢とされる)人口が245万人となり後継者不足が問題視されるだろうといわれていました。
結果として、その時期から取り組んだ企業と、そうでない企業と分かれている可能性もあるでしょう。
ただし、具体的に何をどうすればよいのかわからないということもあるでしょう。各自治体ではセミナー開催が行われてますし、補助金も各種存在します。企業内の課題について解決する方法を検討しましょう。もちろん、第三者に相談してアドバイスをもらうのもよいでしょう。

ポイント④「投資活動の促進」
資料内のデータでは、設備投資には興味があるが実行できてないという結果が見てとれます。積極的な投資活動をしている企業は利益があがってます!という記載があると、とにかく投資しなければとなってしまうかもしれませんが、それよりも大切なのはしっかりとした事業計画があることだと思います。計画ありきで、必要な部分への資金援助を国や自治体に求めていく。経営者の方は、そういった健全な構図を描くことが大切です。

課題の種類と対策について明記されていましたが、数値結果がすべて正しいわけではないでしょう。右向け右で取り組んでもうまく行くわけはなく、自社にあったカタチをきちんと見出すことが大切となるのでしょう。

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