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ブラックジャックのエピソード

今の漫画はあまり知らないけれど、昔は相当な漫画好きだった。少女漫画はもちろんチャンピョンやジャンプなど少年雑誌も愛読していた。その中でブラックジャックは大好きなマンガだった。

中にこんなエピソードがある(細かい記憶違いはご容赦ください)。少年が殺人か何か重大な事件を起こし、逃亡途中に大怪我をしてしまう。結局捕まるのだが瀕死の状態の彼を助けるように要求されたBJは「どうせ死刑になるんだから、死なせてやれ」と一旦は断った。その後命を取り留めた少年は裁判にかけられ、死刑を言い渡される。その時BJは「死刑にするために助けたのではない!」と叫ぶ。死刑執行の時、目隠しをされた少年は最後に「あの時の人にありがとうと伝えてください。」と言い残す。自らが医者である手塚治虫は医療従事者の立場からBJにこう叫ばせたのだろう。

今回の京アニメ事件の裁判結果で私はこの話を思い出してしまった。犯人を助けた医師も相当苦しんだのではないか?TVでその苦悩を語っていた。ただ遺族のためにも裁判で真実を語らせるなければと必死で治療にあたったと。助けても助けなくても苦しかったことだろう、その苦悩は計り知れない。正解なんてない。ただ皆それぞれが自分のすべきと思うことをするしかない。

犯人にとって1年以上にわたる長く辛く苦しいやけどの治療の後、おそらく生への執着が増したところで、死刑判決を受けた。控訴はしたものの死刑が確定すれば、執行を怯えてながら毎朝を迎えることになる。結局的に最大限の精神的拷問が彼に与えられらことになるなんて、なんて皮肉な結末だろうと考えてしまう。
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