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🎬ミッション:インポッシブル/フォールアウト 感想

IMFエージェント、イーサン・ハントシリーズ第6作。
ソロモン・レーンの逮捕により敵組織「シンジケート」は壊滅したかと思われたが、2年後「シンジケート」の⽣き残り勢⼒はアポストル(神の使徒)と呼ばれるグループを結成し世界秩序の破壊を画策していた。
3個のプルトニウムを奪い返す任務を与えられたイーサンだったが、仲間の命を助けるために任務は失敗してしまう。
またもや孤軍奮闘となるイーサンと仲間たちは核の脅威から世界を救えるのか?
IMF、アポストル、CIA、さらに前作でイーサンが助けたはずのイルサがそれぞれの思惑で複雑に絡み合い、誰が味方で誰が敵か二転三転するストーリーは緻密に練り上げられていて見応えがある。
第5作までのM:Iシリーズ作品のエピソードが伏線として随所に織り込まれ、意外な人物の再登場など「なるほど!」と納得した。
一方アクションもド派手に進化し、過去作に負けず劣らずヒヤヒヤさせられる。
クライマックスのアクションは『ゴースト・プロトコル』のビルのクライミングに並んでドキドキした。
それにしても、今回特に感じたのはイーサン・ハントが今まで以上に人間味にあふれていること。
確かにイーサンは毎回人間臭いキャラとして描かれてきてはいたが、任務があっても仲間の命を優先してしまったり、関係ない警官を死なせられなかったり他のスパイ映画とは一線を画す作り方が色濃くなっている気がした。
そしてイーサン・ハントは若い頃よりもひどく悩み、迷う。怯えもする。イーサンがスパイとしてのキャリアを積んで非情になるのではなく、むしろ年齢を重ねたがゆえの弱さが垣間見えてしまうところは興味深い。
これはイーサン・ハントという生身の人物を長く演じてきたトム・クルーズ自身のキャリアと無関係ではないように思えた。
若いときから熟練俳優と共演し大物監督とタッグを組んでキャリアを積んできたトム・クルーズが過去を振り返り今を考えているような描写は少し感傷的だが、歳を重ね多少の老いを感じながらも第一線で活躍し続ける彼へのリスペクトが尽きることはない。
この感覚を昇華させたのが『トップガン マーヴェリック』 だと思うのだが、この映画も間違いなく『トップガン〜』と地続きになっていることを感じた。
本作の話に戻ると、ウォーカーが髭面だったからだがヘンリー・カヴィルだと全く気づかなくて後になりビックリ。
アレック・ボールドウィンは『レッド・オクトーバーを追え!』のジャック・ライアン役以来のファンなので、前作に続いての再登場はうれしい。
今作はいったんM:Iシリーズの集大成的な作品となっているが、これからこのシリーズ、またトム・クルーズ自身がどう進化していくのかが楽しみになる快作。
私としては、新作公開前までにシリーズ6作を全部観て予習できたことには大満足です。

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