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🎬ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE 感想

トム・クルーズ主演のイーサン・ハントシリーズ第7作。

これまで様々な巨大な敵と戦ってきたイーサン・ハントだが、今回の敵はついに"人間"ではなく自我を持ち暴走を始めたAI"エンティティ"。
すべてのデジタルにハッキングし、その気になれば人類を破滅させてしまう力を持っている"エンティティ"なのだが、それを破壊する力のある謎の鍵を巡りイーサンとCIA、"エンティティ"の組織が三つ巴の争奪戦を繰り広げる。

今までもアップグレードを繰り返してきたM:Iシリーズだが、世界壊滅の危機とあって一気にスケールアップ。
ロシア潜水艦事故から始まるオープニングから"エンティティ"の脅威と世界の諜報機関が追う謎の鍵については冒頭一気に説明され、その後観る側はトム・クルーズのサスペンスとアクションの連打に身を委ねるだけという設計は親切。
シリーズ過去作には状況が変化しすぎてストーリーを追うのが精一杯になってしまった作品もあったが、今作はシンプルに作られていてアクション・シーンに没入できた。

ミッションを受けた瞬間から世界中が敵にまわり孤軍奮闘することになるイーサンと仲間たちなのだが、世界各国が覇権を握ろうという私利私欲におぼれて鍵を追うのに対し、イーサンのモチベは"エンティティ"から人類を守るためと、いたってシンプル。
諜報部員として冷徹に描かれることもあったイーサンが自身の信じる正義のために鍵の争奪戦にのぞむのはかえっていさぎよい。
作品を追うごとにイーサン・ハントは人間臭くなっていて、仲間を心配したり、忘れられない過去に悩まされたりとエージェントらしくない側面を見せてきた。そこが初老に差し掛かったトム・クルーズのキャリアと重なり作品の味わい深さになっているのはおもしろい。

ところで劇中、鍵を追う国家がアメリカだけというのはどうなのか?とも思ったが、たくさんの国の人物が登場し人間関係の設定がややこしくなるのを避けるためだろうからこれはこれでいいと思う。

イーサンと仲間たちの描写はやはり過去作を復習しておかないとついていくのはむずかしいかな?と思えた。
逆に過去作を観ていればいろいろな人間関係の伏線もわかり、さらに楽しめるのは間違いない。

アクションはド派手で、砂漠での銃撃戦から始まりローマでのカーチェイス、列車でのアクションなど、既視感はある設定なのだがそれを凌駕するスケールの大きさとアイディアで十分見応えがある。
特にローマでのカーチェイスは高級車を何台ぶっ壊したんだろうか?と見ているこっちが心配になってくるし、黄色いフィアットの決死のカーチェイスにはコミカルな味付けさえ感じられてかわいくなる。

いずれにせよPART ONEなので本格的なAI"エンティティ"vsイーサン・ハントの対決と本作でまだまだ消化不良だった登場人物のストーリーはTWOに持ち越しとなるのだが、ここまで盛り上げて1年待たされるのは酷だ、と、そこだけは愚痴りたくなった。

それにしてもトム・クルーズの体を張ったアクションは衰えを知らず、いったいどこまで走り続けるのかと観終わってからため息すら出てきた。
還暦のトムだが、同世代としては年齢を感じさせないアクションと元気な姿をいつまでも見せてほしいと応援する気持ちでいっぱいになった。

全知全能の"AI"にアナログな"生身の人間"が挑むというトム・クルーズの映画らしい対決構図はやはりおもしろく、それが続編でどう決着するのか、今から楽しみで仕方ない。

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