🎬SISU シス 不死身の男 感想
第二次世界大戦末期のフィンランド。
焦土作戦を展開しながら撤退するナチス軍とフィンランドの"伝説の男"の血で血を洗う対決を描く、フィンランド版『ダイ・ハード』。
1944年、敗色濃いナチス・ドイツ軍はフィンランドの街を焼き払い焦土作戦を展開しながら撤退していた。
一方フィンランドで伝説の戦士とうわさされていたコルピは、戦争との決別を決意し金塊を探し掘り当てていた。
焦土作戦をしながら撤退しているナチス軍にはすでに軍規などなく、ただのならず者集団。
金塊を持ったコルピと出会うのだが、まずナチス軍の仕掛けた地雷でコルピの愛馬が爆死した時点で動物好きとしては怒り心頭。
しかもコルピの愛犬を撃ち殺そうとするなど、もう許せない。
ならず者だらけのナチス軍なのだが、指揮官のへルドルフ中尉はコルピの金塊を奪い部下を見捨てて自分はドイツ本国には戻らずトンズラを考えているクズ中のクズ。
このあたりは『イングロリアス・バスターズ』を連想してしまった。
不死身のコルピに容赦なく殺されたり自分たちが埋めた地雷で爆死するナチス軍人の描写がグロいが、まぁそれだけひどいことをしてきているので仕方ないか。
一方傷だらけの体を自分で治療したりするコルピの描写もなかなかにグロい。
コルピの怒りが沸点に達してナチスの皆殺しに至るクライマックスは抑圧されていたフィンランドの女性たちも巻き込んで容赦がなく、ある意味爽快。
霧の中から機関銃を持った女性たちがスローモーションで現れるカットのやり過ぎ感には笑ってしまった。
案の定へルドルフ中尉は部下をみんな犬死にさせ自分だけはコルピの金塊を持ってソ連に亡命しようとするのだが、へルドルフとコルピの最終対決の舞台が少し安っぽいCGによる飛行機になったのは少し残念。
コルピの対決に集中したいのに、わざわざオチも丸わかりのCGの飛行機を舞台にしなくてもよかったのではないかと思えて、ここはもったいなかった。
歴史的には、ソ連がフィンランドに侵攻していてフィンランドは長くソ連と戦っているので、この映画のコルピの敵もソ連軍でもよかったのかもしれないがそこはセリフだけで語られ、対ドイツ戦のラップランド戦争に焦点を絞ったのは、"ならず者のナチス軍"が相手ならコルピが何をしてもいろいろ当たり障りが少ないという配慮かな?と思ったり。
とにかく初老と言っていいおじさんのコルピが、ツルハシを駆使してならず者ナチスを無双で戦い血祭りにあげる展開は痛快。
最後に金塊を取り戻すコルピが、犬もちゃんと連れていたのもよかった。
何にしても撤退していたナチス軍の出会った相手が悪すぎた。
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