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🎬モガディシュ 脱出までの14日間 感想

1991年、内戦が激化したソマリアの首都モガディシュ。
韓国と北朝鮮両国の大使館員は、意図せず国外脱出するため協力することになる。

韓国と北朝鮮は休戦中の敵国なので当然なのだろうが、アフリカの彼方の地でも外交官が互いに足を引っ張りあう様子は当初少しコミカルな印象で描かれる。

しかし、反乱軍が首都に侵攻することでドラマは一転しシリアスに変わっていく。
独裁政権に反対する民衆だけでなく政府軍すら暴徒化してしまう混乱はリアルで、現在世界で起こっている様々な紛争を想起させる。

行動をともにするようになっても韓国大使館員と北朝鮮大使館員が互いを信用できないのは心情として当然だろう。
しかし、それぞれの国からの助けが当てにならないことがわかってきて、否応なくいっしょに脱出することになったことで、互いに持っていた疑念が憶測や先入観、猜疑心から来ていることがだんだんとわかってくる過程は人間ドラマとして惹きつけられる。
そして、互いが同じ民族の人間として理解し合う姿は、分断している二つの国がもしかしたら国境を越えわかりあえるかもしれない可能性を示唆しようとする。

モガディシュの惨状を両国の大使館員は、もし南北が衝突すればこれが自分たちの国のことになってしまうのではないか?と思ったように見えた。

しかし映画は南北分断を個人が越えようとしても、"国家"という壁が決してそれを許さない悲しい現実を突きつける。
熱いヒューマニズムに心を揺さぶられながらも、心に強い痛みを感じさせる映画。

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