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行こうと思っていた店が休みだった

2022 11/25(金)
 
前から行きたいと思っていたラーメン屋などに行ったら、たまたま休みだったということはよくある。
別段、腹も立たず、気持ちを切り替えて違う食べ物屋を探し始める。
だが、不思議なことに、そこから探すのは別のラーメン屋ではなく、全く違うジャンルの飲食店が多い。
俺が食べたかったのは、行きたいと思っていたラーメン屋のラーメンであって、ラーメンではない。
ラーメンが目的なのであれば、行きたいと思っていたラーメン屋に辿り着く前に、別のラーメン屋に入っているはずだ。
お目当ての店が休みである以上、もうラーメンに用はない。
そこから探すのは、とにかく満腹になれる店がよい。
行きたかった場所に行けなかった腹立たしさで、俺の空腹が2倍になっているからだ。
さらに、別の店を探している間に、この失敗の原因を考えていくと、大抵は、その店の定休日を事前に調べてなかった俺にあると分かり、情けなくて、また腹が減って来る。
結果、当初の3倍も空腹の俺は、一刻も早く食べられる店を探す為、ファーストフードのハンバーガーショップに、吸い込まれるように入って行く。
そして、最初からそれが食べたかったかのように、ハンバーガーをがっつりとほおばって、ポテトをパクパクして、ニヤニヤしながらシェイクを飲んだりする。
だが、あのラーメン屋が休みで良かったなぁ、とは思わない。
ニヤニヤしているが、それは甘いシェイクの糖分で脳が一時的に喜んでいるだけで、腹がふくれるにつれて、本当は、今、あのラーメン屋に俺はいたはずなのに、どうしてハンバーガーショップにいるんだと後悔していく。
満腹になった俺は、店を出て、もう一度、あのラーメン屋の前を歩く。
景色は先程と変わらず、定休日のままである。
次来る時は、絶対に間違えないようにしよう。
自分の情けなさへの怒りにメラメラ燃えながら家路に向かう。
人間、腹が減っている時よりも、腹がふくれている時の方が冷静な分、
腹が立つようである。
 
 
 
 

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