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健康・マルタイラーメン・猫

2022 9/22(木)
 
健康診査の結果を聞く為に、二週間ぶりに近所にある診療所を訪ねた。
この二週間というもの、結果を聞くのが不安だった、ということは一切なく、診査を受けていたことすら忘れて、カレンダーを見て思い出した。
そもそも、健康状態が心配だから受診した訳ではない。
練馬区から無料で受けられるという案内が来ていたので、無料なら一度位はという軽いノリで行った。
その為、診査を終えた時点で用事は済んだと思っていた。
診査前の10時間は絶食しなくてはならなかったので、終わってすぐさま
丼飯をガツガツとかっ込んだ俺は、明らかに健康じゃないかと思っていた。
だが、結果を聞きに行くことを思い出して本日、急に不安になってきた。
ひょっとしたら大変な病気にかかっているのではないか。
そういえば、先月位からよくマルタイラーメンを食べている。
きっと何かの数値に、マルタイラーメンの反応が出るかもしれない
そうなったら、大好きなマルタイラーメンが食べられなくなる。
「あなたは、この先、マルタイラーメンを食べてはいけません」
「先生、それだけは出来ません、僕はマルタイラーメンが大好きなのです」「このままマルタイラーメンを食べ続けたら、1年以内に死にますよ」
「そんなにマルタイラーメンって身体に悪いのですか先生!」
「一週間に一度位なら問題ありません、あなたに出す処方箋は、マルタイラーメンを一週間に一回です、守って下さい」
「先生!そんなの酷いよ!」
そこまで身体に悪いとは思わないが、もしかしたら栄養バランスが崩れているかもしれない。
俺は心配になりながら診療所へ向かった。なんだ足取りが重い。
健康のことを考えはじめた瞬間、不健康になった気がする。
病は気からとはこのことである。
診療所の近くに、二匹の猫がいた。平和そうな顔で誰かの車の上に勝手に乗ってやがる。
いい気なもんだ、お前らみたいにリラックスしたいよ。
診療所のドアを開けて受付に行くと「はい、結果をお渡し致します」
若い看護師さんに促され診察室に入った。
診察室には昔のドラマに出てきそうなバブル時代のような化粧をした看護師さんに迎えられた。
「結果が出ました、あのですね・・・」
突然、間をためる看護師。これは怖い。どこか悪いのだろうか。
「あの・・・」
点、点、点、ヤメロ!今、点、点、点、が一番こわいんだ、ヤメロ!
「あの・・・何の問題もありません、非常に健康です」
「えっ」
拍子抜けした。
結果票を渡された俺は、あっという間に診察室を出た。
お大事に、とは言われずに診察室を出るのは、妙な気分だ。
帰り道、またあの二匹の猫がいた。
相変わらず、車の上でのんびりしている。
心配事がなくなって気分の良くなった俺は、ニコニコしながら猫に話しかけていた。
 
 
 
 
 
 
 

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