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【詩】信号機


 男と女は
 なるようにしかならない
 そんな事 知ったのは社会人になってから

 季節など覚えちゃいない曖昧な記憶
 空に陽の傾きかけた
 あの日
 百貨店の正面出口前の交差点で
 貴方は青を 見送った

 わずかに見せた戸惑いの素振りを
 振り払って 屈む貴方の
 両腕が私を包みこみ

  どうして
  力こめてギュッとしてはいけないの
  どうして
  抱きしめ返すこともできないの
  滲む嬉しさ押し殺す
  自分の 心の動きも解らないのに

 サヨナラ
 する 横断歩道の青
 見知らぬ女の人が待つ何処かへ
 帰っていくパパ

 あの時、
 ひとりと ひとり
 貴方と小学生のノンちゃんの気持ちは結ばれていた

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