小説 縁 封印
母に栞ちゃんが事件に巻き込まれるかもしれないと慌てて相談した。泣きそうになってると母は「無の時間を」と言い私の頭をなでた。
しばらく無になった。母は「私は未来は見えないけど、止めることはできる」と言い、どこかに出かけて行った。
その後、事件の話は聞かなかった。栞ちゃんに何も起きなかったのだろう。母は「まだ力を使うのは大変かもね。大学出るまで封印しましょう」と私の頭をなでた。
朝、無の時間を過ごすこととなった。それで封印されるという。高校のあの朝礼はそういうことだったのか。
「あの高校はそういう子たちの学校なの。みんな何かしら持ってると思うわ。能力は大人になって出てくるの」と母は言い笑った。
何かしらって何? 私は母の力を知らない。「お母さんは何の力を持ってるの?」聞いたけど「知らないほうが身のためよ」と言い笑った。母を怒らせてはいけないと心に決めた。
未来が見えるなら将来占い師にでもなればいいのかな。占いじゃないけど。
封印されたことで友達の未来が見えることもなくなった。ちょっとだけ使ってみたい気もするけど怖い未来はみたくないし。
母は、私が不安げにしていると「大丈夫よ」と笑っていた。
完
序章→中学で→フリースクール→高校生活→開眼→封印
全6話
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