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詩 作品

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自分が今までに書いた詩作品をまとめています。
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2024年3月の記事一覧

Summer

拝啓
込み上げる 鳴り止まぬ 崩れる顔を眺めてる
机の奥には 君が過ごした ちっぽけだけど明るい記憶
犬が笑い 川に流す 大切な物の燃えカスを
取り払って 振り払って 目に沁みる あの夏を
走れ
走れ
夏を

捨てきれてない訳じゃ無い 指にこびり付いた残り香が
逃げろ
逃げろ

夏を思い出して水を飲んで乾く喉を忘れよう

そこら中に倒れる人の丸まる背中を見るお前がいる
透明な血を流す彼らに指を刺さ

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さみしさ

孤独と優しい光の境目にうずくまる
生暖かい西からの風が、トンネルを通って
私のまるまった背中を撫でてから
トンネルを抜けて岬の潮風と一緒になります
彼女はいつもぼくに背中を向けて笑っている
光の前に立ち眩しい光線のフレアに輪郭をぼやけさせて
彼女の含まれた光の粒子を
ぼくは浴びる
甘酸っぱいのとミルクの香りがして
俯いた私が俯いたままで
誰も忘れて
トコトコと歩く
トコトコと歩く
暗い所は水溜まり

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TAKE

TAKE
 IF U  IF U
[ステンレス製] (の) [スリット] (を)  [滑る]
 U
[チョーク] (を) [取る]
 I USE
[紐] (を) [引っ張る]
 LIGHTS
[点く]
 BREATH
[唇] (を) [つまむ]
 SMILE
[銀色] (の) [指輪] (が) [   ]
 REFLEX / ION
[腕] (を) [まくる]
 I
[ノート] (を) [開く]

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厚揚げ

肉が食いたい。
野菜では得られない満足感を。
私が食べたいのは肉だ。

しかし肉が食えない。
私は痩せなければいけないから。

私はすっかり脂の誘惑に負けてしまっていたのだ。
焼けば甘く煮れば旨い。
私はすっかり肉の味に捕らわれていたのだ。

痩せねば。つまり肉を食うなという事である。
肉のない食事なんて。
野菜炒めは肉料理だし、
カレーにシチューも肉料理。
肉じゃがは肉が主役だし
サラダが皿の上

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創作の風景

 泳ぐのは好きですか?
 走るのは好きですか。
 じゃあ食べるのは好きですか。
 草原に寝そべって目を閉じるのは好きですか?

 きっと風の音がする筈ですね。
 風の音は、まず芝生の草が揺れて擦れるカサカサという音
 次に少し強い風が木の枝を揺らすザラザラという音。
 そしてもっと強い風が木の幹を揺さぶるミシミシという音。

 目を開けると、さっきから聞いていた音に色が付きますよね。
 空の青、芝

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においと口紅

君はもう寝るべきなんだ。じゃなきゃ俺が寝れないんだよ。

君の肌の匂いなら永遠に嗅いでいられる。ほら、君はすぐ俺の鼻を鎖骨の辺りに押し付けてくるだろ。だからもう君の臭いを覚えちゃったのさ。君は甘い粉ミルクみたいな香りがするんだよ。気付いてた?石鹸の香りかな。僕は好きだよ。

君の臭いならなんだって嗅ぎ分けてみせるよ。本当に。ほら君はそうやってすぐ顔に手を押しつけてくるだろ。君の指の股からは食器用洗

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詩の書き方

「いい詩」の書き方

まず第一に、心から自分を晒せるようなお友達は1人もいてはいけません。

親だけは信頼する事にして、あとは画面か額縁の中の美女の絵にばかり気持ちを膨らませましょう。

そうすると、ふと喉が渇いたり、トイレに行きたくなったり、散歩に行きたくなったりして、席から立ち上がって部屋の中を歩き回るうちに、すぐ自分が一人ぼっちだという事に気付けます。

極上のワインを醸造するワイナリーがカ

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