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原チャリ激走20時間! 激動天地の記憶。川口オフィス~奈良オフィスへの移動。


出発前の走行距離
出発直前のバイク置き場前
到着後の地下ピット
到着後の走行距離

■概略
ホンダ、ズーマー50cc(2004年式)で走破
・写真上2枚は出発前(4/14)午前4:30、埼玉県川口市幸町のマンション、バイク置き場前。
・写真下段2枚は到着後(4/15)午前0:30、奈良県奈良市山陵町の地下車庫。

一気に走りきっ走行距離は、メーター数値の引き算で587㎞。休憩は3回(給油3回)。ガソリン代はおよそ1,700円ほどでした。
天気予報・・・14日夕刻まで晴れ、その後夜半から15日にかけては近畿地方は大荒れの予報。

一般道をひたすら走り続けた57歳の自分を半端ない、ホンマえらいおっちゃんやなぁと感心しつつ・・・ちょっとだけ呆れてしまいます。天国と地獄を味わう凄い体験になりました。ゴール直後の心境は、恐怖心と安堵感と達成感の入り混じった感じでしたね。

この走破は、随分前から一度やってみたいなぁとぼんやり考えていました。趣味の自転車で、奈良宅から京都嵐山間の往復約100㎞(京奈和自転車道)を日帰り往復で走ったりしていたので、その5~6倍の距離をバイクなら大したことないだろう、と、かなり甘く見てましたね~。出発前夜のワクワクドキドキしてなかなか寝付けなかった興奮は吹っ飛びました。

2つのルート(青ルートを選択)

■ルート選択
ルートを事前に調べてみると、名古屋までは海沿いの国道1号線が王道のようでした。確かに平坦で距離的にも近いので一般的にはこのルートを利用するのでしょう。勿論、私も当然ながらこのルートしか考えていませんでした。しかし、交通量や大型車両の多さを危険視する声が多いのも事実で不安ありましたね。走行距離505㎞のルート。

走行時間(距離)もそれほど変わらず景色やら交通量のこと考え、川口(埼玉県)を北上して群馬をかすって長野、岐阜、愛知(名古屋)を目指すことにしました。地図上からして名古屋まで行けばこっちのもんやなと、ちょっと厳しければ無理せず、名古屋に一泊して翌日のんびりゴールを目指すのもいいかなと思っていました。が、本音は絶対今日中に走り切ってやるぞ!、と。
走行距離537㎞のルート。

■いざ出発、寒すぎる
予定通り午前4:30、川口を出発。ん、ちょっと冷えるな! すぐに引き返しちょっとした防寒対策して出直しました。しかし、気温のわりに体感温度がぐんぐん下がり寒さとの闘いになるなんて想定外でした。

バッグの中に所持していた衣類をかなり着こんでも寒さとの闘いは数時間続きました。両足のももから下がガクガク痙攣しふるえ続けていました。ほんと自分でもビックリ現象でしたね。

埼玉県の後半、熊谷市を抜けて本庄市付近でやっと日の出です。
太陽がありがたくて、ありがたくて・・・大声でお礼を言いましたよ。
「太陽さん助かりました~! ありがと~ございます!」と。
朝陽を背にしてでしたけど苦笑。進路は北から西に向かっていた・・・

■ルンルン気分で歌声高らかに♫
予想していた通りの少ない交通量と景色の良さに思わず♫♫♫
群馬県、藤岡市~富岡市(世界遺産富岡製糸場)~下仁田(こんにゃく有名)・・・もう、ぽかぽか陽気で景色も良く最高の気分で・・・今回のプランに踏み切ったことに大満足でした。この調子でもしかすると明るいうちにゴールしちゃったりして!? なんて、ついついのぼせ上がってましたね。

順調に走り続けていましたが・・・長野県、佐久市付近でコースアウトしたことに全く気付かず・・・想定外のロスタイム。迷いながらオーバーランしつつも、諏訪湖の湖畔ルートに思わずほっこり。ミスって得したなぁ、なんてまだ余裕のよっちゃんでした。が、このミスで30㎞ほど余計に走ってしまったとは後になって知りました。

Googleマップを見ると名古屋までの道のりをまだ半分来ていないのに正午が近づいていました。ここから名古屋までは下る道になるとはいえ、このままだと名古屋あたりで日没・・・そして雨天になってしまうかもしれない。
とにかく先を急ごうと走り続けました。

■給油、ガソリンスタンド
とにかく要所要所でGoogleマップの案内に誘導され山道に入ることがちょくちょくあり、給油所が無いことで焦りました。と言うのも、当てにしていた給油所が閉鎖されていたりして・・・引き返すべきか、このまま進んで次の給油所を目指すべきか? 引き返すといっても5㎞や10㎞どころの距離じゃありませんからね。頼るは地元住民への聞き込みでした。そして電話して営業していることを確認してからGO! 30㎞ほど走ってホッです。2回、超冷や冷や感を味わいました。

■名古屋が見えてきた
よし、これで名古屋までは見えた! しかし、既に夕暮れ時を迎え、雲行きも怪しくなってきました。念のためにと、まだ降ってはいませんでしたが、所持していた上下のカッパを着用。

このカッパが驚きの防寒(保温)効果があり気分が舞い上がるとともに・・・なんでもっと早く、今朝の日の出前に着用しなかったのか悔いても仕方がありません。でも、心境に大きな変化が・・・・

■決断
とにかく全く体が冷えない。これなら雨が降ってきても絶対大丈夫。
名古屋で一泊したとしても、明日の再出発も必ず雨。ならば・・・
日も暮れてしまい名古屋市内に入ったころだったと思いますが、このまま走り続けることを決断。

出発してかれこれ11時間以上。想定以上の時間がかかっていましたが、地図を見ればあと1/4弱でゴールできる。この名古屋からルートに沿って行ければあと3~4時間で21時ころには到着できるぞ! と、自分を鼓舞しました。

■名古屋市内で大苦戦
ルート案内通りに走ることが出来ず大混乱しました。何としても雨が降ってこないうちにルートに乗らないと、、、しかし、夜になると道路標識を確認できるのも一瞬となり、運転にも注意しながらでルート案内に従っていくのは至難の業でしたね。

名古屋、都会の市街地の夜、安心できるのは給油所には困らない笑。
同じ道を何度も行ったり来たり迂回したりしながら・・・やっと本来予定していたルートに乗れたのは19時ころだったでしょうか。

とうとう雨が降ってきてしまいました。想定外の名古屋市内でのロスタイム。しかし、まったく寒さを感じることなく、これなら絶対行けると確信していましたね。体感温度が下がり続けて筋肉が痙攣していた経験があったからでしょうね。

■大交通量、大型車両、大雨、視界不良・・・ルート間違い大ピンチ
名古屋から三重県(四日市~鈴鹿)に向かうルートの交通環境はガラリと超危険ルートになりました。しかも、大雨で視界不良で道路標識どころか路面状態も確認しずらくスマホもおいそれと見ることができません。

とうとう大きなミスをしていることに気付かず走り続けていました。
とにかくもうこの道を外れずに走っていれば大丈夫!
と、思い込んでいたのです。

道路標識でチラッと確認した「大津方面」。よし、大丈夫!
これが大きな過ちでした。私が目指していたのは「木津方面」。
正確には木津川方面。大津市は滋賀県(琵琶湖)です。あまりにも字が似ています。「大」と「木」を見間違えて安心してしまったのです。もう、スマホを当分見る必要もないと走り続けてしまったのです。気が付いた時は本来のルートから大きくそれていました。40㎞以上走り間違えてしまったのです。ここからが大困難の始まりでした。

■ルート再検索、再設定
降りしきる雨の中でなんとかスマホを操作して・・・グローブはしていましたが手はズブ濡れで画面タッチがうまくいきません。落ち着いて再検索・再設定して、とにかく数キロ引き返し、途中から最短コースの誘導に従って山間・林間ルートを横断することにしました。そして元々のルートに戻る選択です。今さら40㎞以上走って来た道を戻る選択肢はありませんでした。

■人の気配全くなしのルートに恐怖感
人影どころか民家もなく、対向車も全くない真っ暗闇の大雨。何かアクシデントが起こったら本当にマズイことになるなぁと・・・とにかく焦らず落ち着いて判断することに集中です。スマホの充電器は、しっかりしたものを所持していたので、それだけは安心でした。

名古屋を抜けた付近で念のために給油したガソリンもだんだん不安になってきました。もし、ここで給油ランプが点灯したら万事休すです。もう、何時なのか時刻を気にする余裕は全く無かったのでしょう。蛇行する道を上り続け下り続け、やっと民家の明かりが見えてきたときはため息でした。

■再設定した新ルートに乗る
落ち着いて何度も立ち止まっては、雨に濡れないように注意してスマホをチェック。大きなミスをする前にこまめな確認の連続です。また同じような思い込みで間違ってしまったら今度は取り返せなくなる危機感がありました。

この先を走り続ければ「JR関西本線」にぶちあたるはず。この路線にたどり着ければあとは線路に沿って、木津川に沿って、木津駅方面を目指すだけです。遠方に輝いている踏切の点滅が見えた時、目が覚めた感じでした。

目の前を列車が通過して踏切を渡った時、「よっしゃ~!」ヘルメットの中で雄たけび声でした。一瞬、今の時刻を気にしましたが、電車が走っている時間だしまだ8時頃かな? なんて感覚でした。

■悪路、視界不良、そしてついに木津川市が・・・
木津川沿いの国道163号線。とにかく道路はガタガタ、凸凹。対向車線のヘッドライトで路面が見えず一か八かで走っている感じでした。もう、感覚が麻痺しているみたいで恐怖感はまったくありませんでしたね。

何時間くらい走ったのか、山谷が開けてきて街の明かりが目に飛び込んできました。ついに京都府木津川市です。隣接する奈良市までもう一息。

■ついに知っている道を発見
国道24号線を南下している途中、スマホの誘導を無視。やっと普段自転車で通っている脇道を発見! ゴールは目前です。その道をゆっくりゆっくり走りました。雨が小降りになっていることにも気づきませんでした。その時、思い浮かんだことは、一旦ゴールしてから暖かいラーメンでも食べにでかけようと・・・

夜食を取っていないことも忘れていました。ゴールが確信出来たら途中でラーメンでも食べようかと、名古屋付近で思った記憶がありますが・・・まさかのこんな状況になるとは・・・

■奈良市山陵町ゴール!!
股関節が筋肉痛、グローブ外した手は冷え冷え、尻と言うか尾てい骨と言うのかズキズキ・・・でも、眠気もなく疲労感もそれほど感じず・・・恐怖心と安堵感と達成感の入り混じった感じでしたね。

駐車スペース(写真3・4枚目)でカッパを脱いで・・・さて、今いったい何時なんだ? え~~~、なんと0:30。 うそでしょ! 名古屋あたりから残り1/4弱の距離で順調にいけば20時~21時頃にはゴールできるだろうと。。。
なので感覚的に一旦ゴールしてからラーメンで祝杯をなんて考えていたのに・・・あれから6時間半も走っていたのか、、、

すると、朝:4:30~0:30ということは、20時間走り続けたということ。休憩は3回しかしていないし、給油の3回を足しても1時間も休憩していないであろう。バイク(ズーマー)に「お疲れ~、ほんと有難うございました!」と、声に出してお礼を言いました。

■今回の冒険を振り返り感じたこと
中高年のセカンドキャリアにフォーカスした仕事をしており、「60歳から本番のワークライフキャリア」ということを声高らかにしています。そして、合言葉は「学生気分」です。今回の冒険でそれを有言実行できたことに満足しています。奈良と埼玉の二拠点で仕事するデュアルライフ。当たり前のように利用していた新幹線をやめて、深夜高速バスを研究して効率的な移動手段にもしました。

今回の587㎞走破でいろんなことがありました。このプログでは書ききれません。想定外のいろんな出来事に対し、落ち着いて受け止め、考えて判断して行動していくこと。これは仕事でもプライベート生活でも大切なポイントですね。

日がたつごとに満足感・達成感でいっぱいになります。ミスした大きな2か所は、あとからGoogleマップを振り返って気づきました。ここかぁ、ここだったのかぁと。537㎞でゴールするところを587㎞走ったわけです。50㎞オーバーです。

一般道、50cc原チャリの移動、out埼玉県川口市→in奈良県奈良市、20時間、57歳おっちゃんの思いつきの計画、実践のブログでした。 完











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