『ISOLA 13番目の人格』を読んでみて


周りの人の声が聞こえる。


でも耳から聞こえてくるわけではない。もちろん耳からも聞こえてはくるけど。


直接、彼女の頭の中に声が入り込んでくる。


その聞こえてくる声というものは、周囲の人々の強い感情によって発せられるもの。


そして、強い感情とは概ねネガティブなモノである。


それゆえに彼女は好むと、好まざるとにかかわらず、さまざまな歪んだ精神の持ち主の内面を覗いてきた。


彼女はその能力によって精神を病んでいく。


彼女の持つその能力とは、エンパシーだった。


そして彼女が出会った女の子。その子の中からは、複数の全く違う人間の声がする。


そう、その女の子は多重人格者だったのだ。



おはようございます!古本好き野郎βです(何か少し名前が変わっているようだけど、ええか笑)!


本日ご紹介させていただくのは、上記に書きました通り


貴志祐介先生の『ISOLA 十三番目の人格』です!


いやあ、この本がミステリとして面白い、ということはもちろんのことですが、それ以上に『科学的』と『非科学的』な現象についての描写が緻密に作られていて、実際に筆者もできるんじゃないか?と思ったほどでした。


(ちなみに、何ができるようになるかは重大なネタバレになりますので、記述しません。是非実際に読んでご確認を!)


ちなみに今回は主人公が抱える能力、『エンパシー』についての感想を書いていきたいと思います!


人の口にしない声が聞こえる『エンパシー』


突然ですが、皆さんは学校とか職場とかで自分の陰口が言われているのが、もしくはいるように、聞こえたことはありませんか?


その陰口を聞いて、精神的なダメージを受けた時は、周囲の人間に対して不信感を持ち、とても辛い気持ちでしょう。


ただ、皆さんもご存知の通り、大抵この現象は持続するものではありません。


(もちろん、悪質な嫌がらせを受けていたときは別ですが)


しばらくすると、ケロッと元の元気な状態に戻ってしまいます。


それは一重に、自分が聞く声がマイナスよりもプラスが多くなる可能性が高いから。


でも、エンパシーの彼女は違った。


自分自身に向けられた妬みや恨み、猥褻な感情をむき出しにした声。


他者に向けられた他者から発せられるネガティブな言葉。


それらが毎日、周囲の人間のそれらが全て、頭の中に入ってくる。拒否などできない。


その苦痛や否や、普通の人間からは想像を絶するものだと思います。


自分は絶対に耐え切れる自信がありません。


その能力を彼女は人を救うために使っていく。そしてそのことで後ろめたい気持ちがある。


それを是非、これから読む皆さんには楽しみながら読み解いていただけたら、と思います!



あれ、何か書くたびに、内容が薄くなっていっているのは気のせいか?



ともかく、本日も読んでいただきありがとうございました!



それではまた明日、お会いしましょう!

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