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文園そら
2024年3月29日 19:38
普通の小説だったら、雷がゴロゴロなる夜に、怪しい館の屋上でフクロウが鳴いている様子から物語は始まるのだろうが、その夜おれは洗濯物を干していた。この日は、朝は大雨だったし、日中は仕事に行っているからだ。夜中になってやっと晴れたので、洗濯物を干してから寝ようかなと考えていたまでだ。 そこで、遠くに鳥が飛んでいるのが見えた。かなり大きい鳥だ。ワシかタカか、猛禽類らしい。翼は2メートル以上あるように見
2024年3月27日 18:49
今から自殺者の部屋を掃除しにいく。隣の部屋に住んでいる女性が、今頃死んでいる。おれはマスクを着けて、ゴム手袋を装着し、上下捨てても良いジャージを身につけている。遺体処理に関して素人だから、こんなのが衛生管理になるのか、それとも気休め程度のものなのかは分からないが、ないよりはマシだろう。 首を吊って死ぬのが、最近の彼女(隣に住んでいる女性のことだ)の趣味だ。首を吊って死ぬと、糞尿が垂れるし、体の