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インドネシア 中国系、仏教徒やめるってよ

 タイトルでふざけてみました。不謹慎だと思われた方、すみません。
 一応、記事内容はふざけていません。

 インドネシアでは16 世紀ごろを境に、イスラム化がなされました。
 それ以前はヒンドゥ―教または仏教で国をつくる王朝が栄えていました。
 そしてイスラム化以降は、バリ島を除いてはほとんどイスラム教にとって代わられました。バリ島は、一応現代でも、ほぼ唯一の例外としてヒンドゥ―教が盛んなところです。
 イスラム化以降、特にオランダにより植民地支配を受けてから、キリスト教が布教されるようになりました。後述しますが、布教に成功しキリスト教化する地域もでてきましたが、人口が多いジャワ島やスマトラ島(南部)などでのイスラム教の絶対的優位は変わりませんでした。

 現代では、イスラム教信者が国民の85 %強を占めていますから、いちばん多いのがイスラム教徒なのは間違いありません。
 しかし、他のどの宗教の信者が多いか、その割合は、地域や民族によります。
 例えば、上述の通りバリ島ではヒンドゥ―教徒が、北スラウェシ、東インドネシア、北スマトラではキリスト教徒が人口の大部分を占めます。
 民族というか、以前書きましたルーツでいうと、インドネシア人(マレー系インドネシア人、プリブミ)は、特に人口の多いジャワ島ではイスラム教徒がダントツで多いですが、上述の北スラウェシ、東インドネシア、北スマトラではキリスト教徒が多数を占めます。実際にはキリスト教とひとまとめにせずに、カトリックとクリステン(プロテスタント)で分けられています。
 アラブ系ももちろん(というと先入観が入りまくりですが)イスラム教徒がほとんどです。
 インド系は、実はわかりません。現在のインドとパキスタンが分離する以前にインドネシアに来た方々は、おそらくヒンドゥ―教徒だったと思いますが、インドにもイスラム教徒はいましたし(インドは11 世紀ころにイスラム化されました)、パキスタンとの分離時にインドネシアに来た人々は(想像をたくましくすれば)イスラム教を迫害したインドには住めないが、さりとてパキスタンにも移りたくない、または移れないイスラム教徒だったという可能性もあります。そのため、何の根拠もありませんが、ヒンドゥ―教徒や仏教徒もいるのでしょうが、イスラム教徒が多いのではないかと思います。
 中国系は、仏教徒が「多かった」です。また、孔子教(いわゆる儒教)などもいます。

 中国系だけ「 」書きで、多かったと過去形にしました。
 そもそもインドネシア人の入信している宗教の割合では、仏教は1 %未満しかありませんでした。しかし、こと中国系に限っていえば、やはりほとんど全員とはいきませんが、過半数は仏教だったのです。
 しかし、近年(具体的な年は分かりませんが、わたしの感触としてはここ20年くらい)仏教徒をやめる中国系が増えています。特にジャカルタでは顕著です。
 では、仏教をやめてどの宗教に変わるのかですが(インドネシアでは無宗教、無神論者は禁止されています)、それはキリスト教です。
 カトリックに入信するか、クリステン(プロテスタント)に入信するかはともかく、仏教をやめた中国系の受け皿のほとんどはキリスト教です。

 中国系以外では、キリスト教からイスラム教に改宗する人や、それと反対にイスラム教からキリスト教に改宗する人もいます。

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