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ベルばらとあんみつ【菊丸】@浅草

合羽橋道具街から少し外れた、西浅草の東本願寺の裏手に店を構える甘味処【菊丸(きくまる)】。

店頭には少々日焼けした食品サンプルが並ぶ。

縦長のこぢんまりとした店舗は途切れることなく客がやってくるが、心なしか年齢層は高め。

メニューはあんみつをメインにぜんざいやパフェといったスイーツ系の他、カレーやちらし寿司といったごはんものも用意されている。


あんみつベルサイユのばら:870円

あんみつとベルばらを組み合わせるネーミングセンスもおもしろいが、ちゃんとバラを模ったものを乗っけちゃうところもおもしろい。

りんごを赤ワインで煮たものをバラに見立てているのだが、なかなかの出来栄え。

薄くスライスされたりんごをワインとレモンでコンポートしたもので、ワインだけではなくしっかりレモンの酸味も効いていて、これだけでもおいしい。

あずきはなめらかなこしあん。

ソフトクリームは牛乳感高めでおいしく、黒糖もほどよくコクあり甘さもちょうどよい。

寒天はプリっとした食感で臭みなく、赤えんどうは小粒ではあるが、ほくっとして、ほどよく塩をきかせている。

その他はキウイ、求肥に最中の皮が添えてあり、甘い中にもりんごのコンポートの酸味やもなかの香ばしさがアクセントになっていて、味のバランスも考えられている。

対して
男のあんみつ大吟醸:850円

こちらもそのネーミングについ注文。
先のベルばらと比べると、見た目はちょっと地味だけど、味は負けてはいない。

アイスクリームに宮城の銘酒、蔵王大吟醸を使っているとのこと。

食べてみると、おー、ちゃんとお酒感じる香り。日本酒の香りと言うよりは、酒粕のような香りと味わい。

アイスが溶けてくると、全体に酒粕の香りが広がり、これまたうまし。

こちらのあんみつはベルばらとは少々内容が変わり、フルーツはキウイではなく、さくらんぼと洋梨、そして、あんずが入っている。

外観は正直冴えない昭和の甘味処のようではあるものの、ホールのおばさまたちの動きはよく、こまめに緑茶も足してくれ、追い出す風もないので、ゆっくりとおいしいあんみつを楽しめる良店であった。

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