見出し画像

第3回:航空会社や海運会社がJOLを利用するメリット

こんにちは、JOLアドバイザーです。

投資家目線で日本型オペレーティングリース事業(以下:リース事業)を考えた場合、多額の損金計上が可能となり、利益の繰り延べができるというメリットがあります。

一方、リース物件の賃借人である航空会社や海運会社(以下:事業会社)がリース事業を活用し航空機や船舶(以下:物件)を調達するのは、自社購入と比較して一定のメリットが存在するからです。

そこで今回は、事業会社目線で、日本型オペレーティングリース事業を活用するメリットについての記事を書きました。

今回の記事を読んでいただくと事業会社のメリットがご理解いただけ、なぜリース事業が組成されるのかがより詳しくご理解いただけるはずです。

※私について知りたい方は、下記の自己紹介をご覧ください


航空会社や海運会社のメリット

事業会社が日本型オペレーティングリースを利用して物件を調達する理由は、以下2つのメリットがある為です。

(1)フルファイナンスによる物件調達ができる
(2)金利負担が借入の場合と比較して安い

それぞれについて解説します。

1.フルファイナンスによる物件調達ができる

日本型オペレーティングリースを活用すると事業会社はフルファイナンスによる物件調達が可能となります。

フルファイナンスとは、事業会社が自らの資金を利用せず、外部から調達した資金のみで物件を調達する事です。

通常金融機関が航空機や船舶といった高額物件の購入資金を担保融資する場合、物件購入価格の80%相当の金額しか融資しません。

<図1>

画像1

理由は、仮に事業会社が債務不履行となった場合、金融機関は融資の対価として設定した当該物件の抵当権を行使して貸付金の回収を行ないます。

しかし、フルファイナンスの場合、物件の市場価値が下落した場合、貸付金を全額回収が出来ない可能性があります。

以上の理由から、貸付金回収の余力を持たせる為、物件調達価格の80%相当を掛け目とした貸付額がになるのです。

一方、日本型オペレーティングリースを活用した場合、事業会社は実質的なフルファイナンスによる資金調達が可能となります。

その理由は、物件調達価格の残りの20%を投資家からの匿名組合出資で充当してもらえるからです。

<図2>

画像2

仮に、100億円の航空機を調達したい場合、担保融資では80億円しか調達できず、残りの20億円を事業会社自ら拠出しなくてはいけないものを、

日本型オペレーティングリースとする事で、20億円部分を投資家資金で調達できる事から、実質的にフルファイナンスによる資金調達ができるのと同様の効果を得られるのです。


2.金利負担が借入の場合と比較して安い

2つ目の理由は、金利負担が借入の場合と比較して安いという点です。

上記<図1>で担保融資で100億円の航空機を調達する場合の説明で、融資を受けられるのは80億円で、残りの20億円は事業会社が自身で調達する必要がある事をお話しました。

事業会社が一括で20億円を拠出できれば良いのですが、様々な事情から難しい事が多い為、80億円の担保融資をした金融機関とは別の金融機関から事業会社を与信先とする無担保借入で調達するケースが多いです。

<図3>

画像3

その場合、無担保借入の為、金利が高くなります。事業会社の格付けや与信状況にもよりますが、平均すると年利5%相当だと思います。

一方、日本型オペレーティングリースを活用すれば、その20億円相当の利息を非常に安価に抑えられます。

その理由は、投資家は出資金相当額を損金計上をする事で税務メリットを享受している事から、投資家への配当が0の場合でも、実質的に法人率分の40%の利回り商品と解釈する事ができる為、投資家への配当額は少なくても許容される為です。

事業会社が購入選択権行使時に投資家に配分する利息相当額は、出資金の5%相当が相場です。

出資期間は10年相当が多い事から、実質的な利息は0.5%となり、日本型オペレーティングリースを活用する事で、20億円部分の借入負担を大幅に削減可能なのです。


これらのメリットから、事業会社は日本型オペレーティングリースを活用した物件調達を行うのです。

以上、航空会社や海運会社が日本型オペレーティングリースで物件調達するメリットについてでした。


P.S. 日本型オペレーティングリース出資の教科書を作りました

日本型オペレーティングリース出資の教科書です。

損をしない投資の為の検討ポイントを記載しています。

商品選びのポイントについてご理解いただけるので、これから出資を検討している方は是非読んでみてください。

大切な資金を守る為の参考になるはずです。

<こんな方にオススメです>
・絶対に損をしない商品に出資したい
・何を基準に商品を選べば良いのか知りたい
・税理士や銀行の紹介で出資を検討している
・過去リース事業に出資した経験がない
・出資リスクをしっかり把握したい


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?