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【首都圏】不動産投資向け金融機関 攻略マニュアル 2024年版


『買いたい物件が見つかったけど、どの金融機関に相談すれば良いかわからない』
『今でも収益不動産に積極的に融資してくれる金融機関を教えてほしい』

セミナーで質問を受け付けると、一番多いのが融資に関するものです。

不動産投資において、融資は収益性を左右する重要なポイント。金利一つとってみても、1%を切るような低金利の金融機関もあれば、4%を超える高い金利のところもあります。だからこそ、少しでも有利な条件で融資を出してくれる金融機関を選びたいですね。

僕は東京23区でアパート7棟47部屋を所有する現役の大家さんです。

今まで30行以上の金融機関で融資審査を申し込み、10行以上の金融機関から融資承諾を得てきました。実際に今も4行から収益物件向けに融資を引いています。

この記事では、僕が実際に融資審査をお願いしたり、知り合いの大家さんから聞いた情報を元に、首都圏にある金融機関の2024年最新融資情報を解説します。

この記事でわかること

・不動産投資に融資してくれる金融機関 5タイプの特徴
都市銀行(三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそな銀行)の融資条件
地方銀行(きらぼし銀行、東日本銀行、千葉銀行、横浜銀行、武蔵野銀行)の融資条件
信用金庫(芝信用金庫、目黒信用金庫、さわやか信用金庫等)の融資条件
信用組合(大東京信用金庫、あすか信用金庫等)の融資条件
不動産投資特化型の金融機関(オリックス銀行、スルガ銀行、静岡銀行、三井住友トラストL&F、SBJ銀行、香川銀行、滋賀銀行)の融資条件
日本政策金融公庫

それぞれの金融機関タイプごとに、以下のポイントを解説します。

・融資エリア
・借りれる人の属性
・融資対象(個人、法人)
・融資金額(頭金の割合)
・金利
・融資期間
・審査スピード
・行員の特徴
・相性の良い物件種別

不動産投資で良い物件を購入するコツは、物件が見つかったらスグに金融機関に打診することです。そして、ライバルよりも早く融資内諾を得ることが大切です。

ただし、やみくもに金融機関に融資打診していてもダメです。

例えば東京の物件を購入する際には、東京を営業エリアとしている金融機関に融資打診を行います。

東京を営業エリアとしている金融機関は無数にあります。

東京に本店がある金融機関だけでも74行あります(2022年時点)。

一人の不動産投資家がこれら全ての金融機関に融資打診を行うことは不可能です。

しかも、2017年のスルガ銀行ショック以降、どの金融機関も不動産投資向けの融資を絞り込んでいます。

下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる作戦で金融機関に打診しても、ほとんどの銀行から断れることになるでしょう。

そもそも平日に活動できる時間が限られるサラリーマン投資家の方は、打診できる数は限られてますしね。

そのため、融資が出る金融機関の情報を予め知識として持っておき、物件が出てきた時に優先的に融資打診できる体制を整えることが大切です。


こんな方にこの記事はオススメです。

この記事では、首都圏に住所があり、かつ首都圏の物件を購入したいと考えている投資家の方に適しています。

僕自身も東京に住んでおり、首都圏(特に東京23区)を投資エリアとしています。

そのため、僕が入手する金融機関の情報も自然とこの投資条件に関するものが多くなるからです。

また、金融機関の融資条件は時間とともに変化していきます。

できる限り最新の情報を盛り込んだつもりですが、時が経つにつれて一部の情報はどうしても古くなってしまいます。

そのため、今後、最新情報が入る度に情報をアップデートしていく予定です。

ただ、どうしても古い情報が混じってしまう時もあると思います。そんな時は大目に見てもらえると嬉しいです。

それではいよいよ本編に入っていきましょう!

都市銀行

代表的な金融機関

都市銀行は日本に5つしかありません。

三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそな、埼玉りそな銀行です。

基本的には都銀はほとんどの不動産投資家とはご縁がありません。

というのも、基本的に資産家や地主という属性がないとそもそも取引すらしてくれないからです。まあ、殿上人ですよ。

2017年のスルガショック以前の不動産プチバブルの時には、三井住友銀行やりそな銀行は属性の良いエリートサラリーマン投資家にも融資をしてくれていました。

ただ、今はどの都銀もサラリーマン投資家向けには融資していません。

僕の知り合いで都銀から融資を受けている人はいますが、全員昔からの地主です。これを言うと夢も希望もないですが、現実なので仕方ありません。

なので、最初の都銀パートについては、「ふーん、こういう世界もあるのね」くらいな感じでサラッと眺めて頂ければ幸いです。

融資エリア

全国区です。北海道から沖縄まで基本的に支店がある場所であればすべて融資対象となります。

借りれる人の属性

先ほど述べたように資産家か地主でないと都銀から融資を引くことはできません。

資産家というのは、別の言い方をすると会社のオーナーですね。

ITベンチャーの創業者とかで、数億円以上の資産を持っている人であれば取引の土俵に乗ることができます。

もしくは地主です。

地主といっても、純資産が数億円以上あるような規模でないと相手にしてもらえません。

融資金額

これは借り手の資産規模によります。

基本的に頭金30%求められることが多いです。

つまり、融資額は物件価格の70%となります。

ただし、資産規模が大きな方になると、普通にフルローンも出してくれます。

ただ都銀がフルローンを出す場合は、ローン全額と同額以上の現金を持っている方がほとんどです。

別に物件は現金で購入できるけど、資金効率を考えて融資を使うケースです。

銀行からしたらいざとなったら現金で返済してくれるので、フルローンを出したとしてもリスクはありません。

金利

金利については基本的に1%以下です。

0.5~8%で借りている資産家の方が多いようですね。

もちろん、すべての金融機関の中で都銀の金利が一番低いです。

ちなみにREITのような機関投資家になると調達金利は0.1%です。

しかも「インタレスト・オンリー」といって、元金の返済がまったくなく、金利だけを支払う方式です。

この「インタレスト・オンリー」を使うことでキャッシュフローを最大化することができます。この仕組を使ってREITは投資家に多額の配当金を支払っています。

融資期間

都銀は基本的に建物の法定耐用年数以内で融資期間を設定します。

構造別法定耐用年数
・木造:22年(劣化等級取得の場合、30年に延長)
・重量鉄骨:34年
・RC:47年

以前は重量鉄骨、RCの場合でも最大借入年数は30年以内でしたが、最近では35年まで延長できるケースも増えてきました。

ちなみに木造アパートの場合は最大22年が原則ですが、劣化等級2級以上取得を条件として30年まで延長可能なケースが多いです。

審査スピード

都銀の審査スピードは他の金融機関に比べて時間がかかるケースが多いです。

初めての取引の場合は融資審査申し込みから3ヶ月程度かかる場合も少なくないようです。

相性の良い物件種別

富裕層には基本的に新築・築浅の一棟RCを購入し、数年保有して資産を入れ替える方が多いです。

新築・築浅のRCマンションは建物の耐用年数がたっぷり残っているため、売却する際にも融資がつきやすいという特徴があります。

つまり、資産の流動性が高いため、いざとなればすぐに現金化することができます。

また、建物が新しいため稼働率も高く、修繕費用もほとんど必要ありません。

つまり、保有する間の収支にブレが発生せず、当初計画した家賃収入を得られる可能性が高いです。

このように新築・築浅RCは利回りこそ低いですが、安定性はバツグンのため、富裕層に人気が高いです。

都銀のほとんどのお客様は富裕層ですから、都銀と相性が良い物件も新築・築浅の一棟マンションとなります。

地方銀行(地銀)

次に地銀を見ていきます。一定数の資産規模を持つ投資家であれば地銀をメインバンクにしている方も多くなります。

代表的な金融機関

首都圏ですと次の金融機関となります。

・きらぼし銀行(東京)
・東日本銀行(東京)
・千葉銀行(千葉)
・横浜銀行(神奈川)
・武蔵野銀行(埼玉)

融資エリア

・きらぼし銀行(東京23区がメイン。神奈川、千葉、埼玉も融資可能だが、審査は厳しくなる)
・東日本銀行(東京、神奈川、千葉、埼玉。ただし東京23区の方が融資が出やすい)
・千葉銀行(千葉、東京、埼玉(東京寄りの所沢、大宮、川口あたりまで))
・横浜銀行(神奈川、東京)
・武蔵野銀行(埼玉、東京)

借りれる人の属性

基本的に首都圏の地銀は今でも不動産投資向けの融資を出しています。

ただし、融資のハードルは銀行によって異なります。

千葉銀行

千葉銀行は2017年のスルガショックの前までは、かなり不動産投資向け融資も積極的でした。

年収800万円程度の中くらいの属性のサラリーマン投資家にも融資をバンバン出してました。

フルローンも普通に出してましたね。

僕の知り合いは茨城県にある築20年くらいの一棟RCマンションを購入しました。

購入当時は旧スルガ銀行から金利4.5%、融資期間30年でフルローンを受けていました。

購入から1年後に千葉銀行に借り換えを打診し、金利を1.5%まで下げることに成功しました。

もちろん残債はそっくりそのまま千葉銀行が引き継いでくれました。

これくらい当時の千葉銀行は不動産投資に積極的だったというわけです。

ところが、今は残念ながら千葉銀行は融資のハードルをめちゃくちゃ上げています。

地主ではない一般の投資家にも融資を出していますが、もとめる属性条件はかなり高いです。

千葉銀行は投資家の居住地によって求める属性条件が異なります。

東京在住の投資家の場合

・年収3,000万円以上
・金融資産5,000万円以上
・賃貸経営の実績がある

僕は千葉銀行 恵比寿支店に問い合わせて上記条件を教えてもらったのですが、最初聞いた時は聞き間違えたかな?と思ったくらいです。

年収3,000万円以上の給料は、国内大手企業の取締役でも厳しい水準です。

例えばNECの社長の年収が5,000万円くらいですからね。

一部上場企業の取締役でも年収3,000万円に届かない人はゴロゴロいます。

給与水準がバツグンに高い外資系金融のMD(マネージング・ディレクター)に出世してやっと3,000万円クラスに手が届く感じです。

医師でいえば開業医レベルでないと年収3,000万円に到達しません。

こう考えると、事実上、東京都在住のサラリーマン投資家は千葉銀行で融資を受けることは難しいといえます。

千葉県在住の投資家の場合

・年収1,000万円以上
・金融資産2,000万円以上
・賃貸経営の実績がある

一方で千葉銀行は地元の千葉在住の投資家への投資ハードルはグッと低くなります。

千葉県に住んで都内の大企業に勤めている方であれば十分土俵に乗るのではないでしょうか。

そして、千葉県に住んでいる投資家へは千葉銀行は非常に積極的に融資に向けて動き出しています。

僕の知り合いの大家さんは都内城東エリアで新築RCを竣工しましたが、総額2億円の総工費を千葉銀行からフルローンで引くことに成功しました。

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