イベント成功の秘訣は「最大公約数」をとる視点。葬祭業の企業がマルシェを開催!
「僕自身、イベントを開催するような性格ではなくて・・。」
ーーそ、そうなんですか?そんな風には全く見えないですけれど。
「いやいや、どちらかと言うとコミュ障気味で、学生時代からイベントごとも避けてきた方なんで。」
2022年11月3日文化の日に、ジョイングループの葬祭事業を担っている株式会社ジョイン 平安典礼 主催のSDGsをテーマにしたマルシェイベントが開催されました。
実行委員長を務めたのは、葬祭ディレクターの渡邉正純さん。
"葬儀”とはまったく異なる仕事であり、経験もなければチームもない。そんな状況からプロジェクトがスタートしました。
3ヶ月間の準備期間を経て、約300名集客のイベントをやり遂げた渡邉実行委員長。イベント撤収作業の合間に、開催までの経緯やチームづくりについてインタビューをしました。
今日は、編集部メンバーの自己紹介をお休みして、社内インタビューの記事をお届けしたいと思います。
「なぜ、葬祭業の会社がマルシェイベントを開催したの?」
「イベントのアイディアをまとめる秘訣は何?」
ご興味のある方は最後までお読みください!
意見を「待って」小さな声を「拾い」最大公約数を見つけて「提案」する
ーーイベントお疲れ様でした!大盛況でしたね。渡邉さんはイベントを主催された経験はあったのですか?
渡邉)いえいえ!僕自身、イベントを開催するような性格ではなくて・・。
ーーそ、そうなんですか?そんな風には全く見えないですけれど。
渡邉)いやいや、どちらかと言うとコミュ障気味というか。学生時代からイベントごとも避けてきた方なんで。
ーーそれは意外です!
渡邉)イベント経験者の社内の仲間に先導いただいたり、適材適所で皆さんに力を貸していただきました。みんなの力があったから開催できたんだと思います。
何より一番嬉しかったことは、社内の部署を超えて、お互いが協力し合いながら開催できたことです。
葬儀の業務も多いので、僕がいなければ、その分、人員不足になります。そのような状況でも、委員長としての仕事をさせてもらえたことは、本当にありがたかったです。
ーー加藤さんから見て、渡邉委員長はどんな風に見えていましたか?
加藤)「何をやりたいですか?」とみんなに投げかけて、答えを待ってくれる人でしたね。
最初は、なかなか意見が出てこないのですが、何度か投げかけてもらうと「マルシェやってみたいな~」と小さいな声があがってくる。その小さな声を拾ってくれるのが渡邉さんでした。
ーーなるほど。相手の要望を待って小さな声を聴くというのは、本業の葬祭ディレクターの仕事とも繋がるものがありますか?
渡邉)そうですね。葬儀も“やらなきゃいけないこと”ではあるけれど、積極的にやりたいと思う人はいないですよね。
でも、亡くなった方に対して「こういうことをやってあげたい」「やってあげたかった」みたいな気持ちは、皆さんが心の中にお持ちです。それを形にするのが僕らの仕事。
その声を聞いて(ヒヤリング)、プランニングして、葬儀という形にしていくことを日頃からやっていたので、それが活かされたのかなと思います。
ーーなるほど。イベントで何をやるか?という話し合いはどんな風に進みましたか?
加藤)方向性を決めるまでが大変だったよね!
渡邉)そうですね〜。社内の話し合いでは、いろんな視点で、いろんなアイディアをもらうことができました。その分、どれか一つに絞っていくことがとても難しかったです。
加藤)みんなが真剣に考えてくれたからこそ、私たちが思いつかないようなアイディアもありました。もらった意見を聞きながら、実際に形にするためにはどうしたらいいのかな?と悩んだこともありました。
ーー確かに。出てきたアイディアを、現実的に落とし込むのが難しいですよね。そこはどんな進め方をされましたか?
渡邉)「自分たちが出来ることで」という枠の中で、みんなの意見の「最大公約数」をとりました。
みんなの意見を聞いた上で、その共通点を見つけて提案しました。意見の共通点が「マルシェ」という形だったので、そこで方向性を一致できたという感じです。
ーーすごい!「最大公約数をとる」ためには、みんなの想いを感じて、共通点に気づく感覚があったからですね。
渡邉)いやいや、みんなから意見を出していただいたお陰です。色々な意見を出してもらえないと、最大公約数も見つからないので。
葬儀会社としてお客様と繋がる場所を創りたい
ーーこのイベントの準備は、いつ頃から始められていたのですか?
渡邉)SDGs活動は今までも各部署で取り組んできましたが、さらに活動を深めていくために動き始めたのは今年の3月頃です。「SDGs委員会」が立ち上がり、各部署から選出されたメンバーがイベントの実行委員になりました。
マルシェ開催が決まったのは8月。そこから約3か月の準備を経て、当日を迎えました。
ーー平安典礼の駐車場やエンジョインサロンで、マルシェを開催された理由はありますか?
渡邉)はい。結婚式場とは違って、一般の方が葬儀式場にお越しいただく機会はほとんどありません。
葬儀からイメージされることは「お別れ」や「悲しみ」といったもので、日常的に積極的に関わりたいと思うことも少ないと思います。
だからこそ、エンジョインサロンは講座やワークショップを通して「生きがい」づくりをサポートし、お客様と繋がれる場所になっていると思っています。
葬儀会社として葬儀に関わることだけではなく、「私たちは、日常の中でお客様と繋がっていきたい。力になれることがあれば、お手伝いしたい」という気持ちがあることをお伝えしたい。
その気持ちを地域の皆さまに表現する一つとして、平安典礼本部の駐車場やエンジョインサロンを会場にしてイベントを開催しました。
ーーどのような方がマルシェにお越しくださいましたか?
加藤)エンジョインサロンの講座に参加してくださっているお客様もいらっしゃいましたが、実は、サロンのお客様が、出店者様をご紹介してくださったという経緯もあるんです!
今回のイベントをお知り合いの出店者様にご紹介くださって、そして他の出店者様もお繋ぎくださいました。SNSをされていない方だったので、私たちの発信からは繋がり得ない方でした。お客様によって繋いでいただい御縁です。
しかも、出店者様が、口コミでお客様にイベントをご紹介してくださって。お客様がお客様を呼んでくださったような感じでした。
ーー理想的な形ですね!お客様がお客様を繋いでくださる。まさに、御縁の数珠繋ぎのような感じ。
渡邉)そうですね。駐車場近辺にお住まいのご近所さんも来てくれました。
加藤)お孫さんを連れてきてくださった方もいました。エンジョインサロンはシニアのお客様が多いのですが、マルシェのワークショップには普段とは違う年齢層のお客様も参加してくださいました。
加藤)マルシェの出店料は"寄付金"としていただき、SDGsに一緒に取り組んでくださる気持ちで出店者様にもご賛同いただきました。出店のご希望をたくさんいただいて、お断りするくらいの状況だったんです。
ーー開催してみて、苦労した点や反省点はありましたか?
渡邉)この場所でイベントを開催するのが初めてだったので、電源の確保などが大変でした。
また、道路沿いではあるのですが、通り過ぎてしまう場所でもあったので、もっとわかりやすくイベント開催を伝えればよかったかなと反省点があります。
ーー高校生の皆さんの出店もされていましたね!若い年齢層の方にご参加いただいたのは良かった点ですね。
加藤)そうなんです。エンジョインサロンのInstagramにご連絡をいただきました。
渡邉)高校生と大学生が一緒に活動されている団体さんで、活動の場を探されていたということでした。私たちの開催趣旨と合致するものがあったので出店していただきました。様々な活動をされている皆さんなので、今後とも何かご一緒できたらと思っています。
ーー次回開催に向けて考えていることがあれば教えてください。
渡邉)開催に向けてのノウハウが少し見えてきたので、今後も開催していきたいです。SDGs活動は色々な形があると思いますが、私たちとしては、お客様に直接お会いできる形で実施していきたいと思っています。
加藤)地域貢献を目的にやっていますので、一回の開催では意味がありません。これからも継続して出来る仕組みをつくっていきたいです。
ーー最後に、実行委員長から一言お願いします。
渡邉)設営から運営、撤収まで、委員長としての仕事をさせてもらえたのは、上司をはじめ仲間のみんなが送り出してくれたからです。また、エンジョインサロンの皆さんのお陰で運営できたこともたくさんあります。
一人でできたことなんてなくて、仲間がいてくれて、お客様が来て下さったことで開催することができました。
感謝しかありません。ありがとうございました。
加藤)イベントを終えてみて、みんなで「活気があるっていいね!」と話していました。
みんなで一丸となって、活気があることをできたことはすごく嬉しかったです。これからも開催できるようにしていきたいです。
「活気がある」ことは、葬儀と相反するイメージがあるかもしれません。
だからこそ、私たちジョイングループは地域の皆さんと繋がりながら「人生」を楽しく過ごしていくためのお手伝いがしたい!というメッセージをこれからも伝えていきます。
イベントにご参加いただいたみなさま、出店者さま、ご近所のみなさま、ありがとうございました!
取材・記事 広報係和田由紀子