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エラスムス・ムンドゥス修士カタログのコツ

書こうと思いながらずいぶんと寝かしてしまった!!!
突然ですが、私は2019年から欧州留学フェアのお手伝いをしています。お手伝いをするきっかけとなったのは、私が留学で修了したプログラムがエラスムス・ムンドゥスの修士課程の1つだったこと。

以前「エラスムス」そのものについては下記のnote で書いたので、今回は留学フェアでもよく説明するエラスムス・ムンドゥス修士カタログを紹介します。


オンラインカタログの存在

現在193の修士プログラムのあるエラスムス修士。オーガニック検索でプログラムそのものの情報にたどり着いている場合は良いのですが、オンラインカタログから探したい!という場合にはこのページを活用するのが近道…

ですが、微妙に使いづらいのでウェブカタログの使い方と、プログラムごとの公式情報のポイントをいくつか紹介します。
また、例には自分の修了したプログラムだけでなく、他のプログラムの公式ウェブサイトも参照して出してみようと思います。その方が、なぜ「詳しくは自分で調べて」といわれることが多いかも伝わる気がするので・・・笑

1:カタログ検索は広めのキーワードで

ついつい、いくつかのキーワードを組み合わせて絞り込みたくなるのですが、まずはざっくり「History」とか「Engineering」とか「Public」とか、広めの単語をいれてください。
各プログラムに設定されているキーワードがそこまで詳細でないので、似たような領域のプログラムでも、ある単語では結果に表示されて、ある単語では表示されない、なんてこともあるからです。Google検索みたいな精度は期待しちゃダメです!

基本的に領域横断のプログラムが多いので、できるだけ広めに設定してみてくださいね。分野でなく、参加大学の国で検索することもできるので、行きたい国の優先度がある場合には国検索も使ってみてください。

2:プログラム自体の公式ウェブサイトを必ず確認する

これはウェブカタログでのリンクが少し変わっているので注意喚起的に…

ウェブカタログ、プログラム詳細の検索結果でプログラム名をクリックするとなぜか別の基本情報を集めたウェブサイトに飛ばされます。
そのため必ず掲載されている公式ウェブサイトのURLを確認してそのサイトをみてください。

例:Euroulture (私の修了したプログラム) 

プログラム名もクリックできますが、かならずその下にある URLをクリックして
プログラムの公式ウェブサイトに飛んでください。

3:公式ウェブサイトでのチェックポイント

大きくいうなら下記3つかなと思います。

  1. 奨学生の募集情報

    • 応募期間、書類、金額、公開されている採択条件の有無など

  2. アドミッションポリシー

    • 応募に必要なアカデミックバックグラウンドは何か、これまでの専門分野からのシフト/切り替えが可能なのか

  3. プログラムスケジュール

    • いつどこで学ぶ? 選択肢はある?

ではそれぞれ詳しく…

奨学生募集情報

大事です。プログラムごとに奨学生を募集するときの必要書類や語学のレベル・数の要件、応募期限に違いがあります。

例えば、友人が修了したCLE(Cultures Littéraires Européennes)というプログラムは"Application"ページに2つの応募者カテゴリとそれぞれの締め切りが
記載されています(2024.01.10現在のスクリーンショット)。

CLEプログラム"Application"ページより
https://cle.unibo.it/pages/23/application

そしてムンドゥス奨学金について書いてある"Erasmus Mundus Scholarships"ページには、1つの締め切りのうち最初の締め切り(2024年2月中旬まで)に応募しなければ奨学生選考の対象にならないと書いてあります。また、奨学生は7月に決定されると記載があります。

CLEプログラム"Erasmus Mundus Scholarships"ページより

一方で、映画遺産のプログラムである"FilmMemory - Joint Master of Arts in European Film Heritage, History and Cultures"はプログラム全体で1年に24名の学生をとり、そのうちの何人かがムンドゥス奨学金を得ることができると書いてあります。

FilmMemoryプログラム"TUITION FEES & SCHOLARSHIPS"ページより
https://www.filmmemory.eu/academic-info/tuition-fees-scholarships

締め切りはCLEよりも早く1月26日。また、このプログラムは選考過程の説明が詳しく、どのように加点されるかも記載があります。

FilmMemoryプログラムCall for Applicants ページのProcedures参照
https://www.filmmemory.eu/application/call-for-applicants

しかも、その後のムンドゥス奨学金の選考詳細まで・・・!

自分の関心のあるプログラムのサイトでは、必ず"Application" や"Scholarship"と書かれたページで奨学生・奨学金情報を確認してください。

アドミッションポリシー

ある意味奨学金情報より大事な部分・・・笑
ですが、関心が高いのは奨学金ということでこちらを2番目にしました。

領域横断的なプログラムが最大の特徴でもあるEMJMD。自分の専攻やバックグラウンドで応募ができるのかどうか、わからない!という人も多いと思います。
そんな時は、必ず日本で言う「アドミッションポリシー」に相当するページを参照してください。
どんな形で記載されているかというと・・・

pioneerプログラムは"TARGET AUDIENCE"としての記載。
https://pioneer-master.eu/target-audience/
みづらいですが、Choreomundus の"Admission requirements"のセクションがある例
https://choreomundus.org/for-applicants/admission-requirements/

とはいえざっくり書いてあるプログラムも多いので、不安な場合はプログラムに問い合わせてしまうのが一番早いです。

また、キャリアパスについてや、修了生のコメントも公開しているプログラムもあります。

ACESプログラムの例
https://www.emm-aces.org/careers-and-employability/
同じくACESから
https://www.emm-aces.org/our-alumni/

修了生の進路から、自分が思っている方向にすすめるプログラムなのか、自分のバックグラウンドとにた人がいるのかなども探れると思います。

プログラムスケジュール

これは、2カ国以上で学ぶことが必須のエラスムス修士に応募するならからなず確認しておかないといけない項目。

"Mobility"や"Programme Structure"みたいなページに書いてあります。

MULTIPHASEプログラムの例。
全員が一緒に、セメスターごとに移動するスタイルのプログラム(理系はこれが多いかも?)
最後のセメスターがインターンシップになっている。
https://www.multiphase-master.eu/a-programme-for-me/mobility-and-degrees
Global-MINDSプログラムは応募するときにどのモビリティパスで学びたいかを申告する方式。
同じプログラムでも全員が同じ場所で学ぶスタイルではないパターンです。
https://global-minds.eu/programme-structure/
  • どの国でいつ学ぶのか

  • 国・都市は自分で選べるのか、プログラムで決まっているのか

  • インターンシップ等で自分で行き先・所属を探さないといけない学期があるのか

上記みたいなことは、留学生活のなかでいつ引っ越しをして、次の国・都市へ行く事務手続きをするのかを把握するために必要な情報。最初の国でビザ・滞在許可証を申請するとはいえ、1つの国に3ヶ月以上滞在する場合はその国のビザ・滞在許可証が必要になるので、移動するたびに手続きが発生するつもりにしておいたほうが良いです。

このあたりは正直EU loginとかエラスムスappの登場でもう少し簡易的になってほしいけど、私は合計4回ビザ申請または滞在許可証の申請をしてます。
(当時の悲喜交々はFBのノートからnoteに移植予定)

プログラムの魅力はもちろん、そのプログラムを通して行きたい国や都市がある人は、自分の希望が出せるのかどうかや、滞在必須の国・都市・大学がその中にはいっているかは気になると思うので、かならずチェックしてください!

4:意外と使える各プログラムのSNS

最後は、そのプログラムでどんな授業やアクティビティがあるかを知る方法。公式SNSを運用しているプログラムも多いので、公式サイトからチェックに行くのをおすすめします。

プログラムによっては、アカウントで学生の日常を発信していたり、学生が運用する別の公式アカウントがあったりして、そこでリアルなプログラムの実態をしることもできます。

例えば、私の終了したEurocultureは、学生が編集員をやっているEuroculturerというウェブマガジンとSNSがあります。

また、それぞれのプログラムがオンラインでプログラム説明会を実施していることもあるので、ぜひチェックしてください。

さいごに

エラスムス修士は、プログラムごとの特徴がありすぎて、なかなか一概に調べるということが他の留学先情報探しよりも苦戦するところだと思います。
でも、その分興味をもってくれた学生に対してはどのプログラムも親切だと思うので、公式ウェブサイトをみてより詳しくしりたい!というプログラムがでてきたら、ぜひウェブサイトと問い合わせや、連絡先として書いてある事務局宛に質問をしてみてください。
FacebookやLinkedInで修了生や在学生にコンタクトをしてみるのも良いと思います!

以上、長くなりましたが、エラスムス修士情報収集のコツでした。


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