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大学受験における英語の勉強方法と今後の課題を考える

英語の勉強法と問題点

英語塾も方針が様々

数学の勉強方法はチャート式でも公文式でも鉄緑会でもSEGでもテキストに載っている例題の解法を覚えて類題を解けるようにすることだと思う。つまり、テキストに載っている例題が全部解ければいいわけだ。

しかし、英語の勉強方法はというと多数ある。鉄緑会、SEG、平岡塾、JPREPと有名英語塾も方針が全然違う。鉄緑会は英単語、イディオム、文法を徹底的に叩き込む。平岡塾は例文暗記により文法を身に付け、精読して和訳を徹底する。SEGは多読とシャドーイングを重視している。JPREPはスピーキングやディスカッションを行う。

近年の大学受験の傾向とその後を見据えて

以前の大学受験だけなら、英単語帳で英単語をひたすら覚えればある程度のところまでいけたのかもしれない。英単語と文法を叩き込み、時々長文読解をやれば、それなりの点数は取ることはできた。特に記憶力の良い人は英単語を覚えるのも得意で、難解な文法もできてしまう。しかし凡人には英単語や文法をひたすら覚えるというのはつまらないし、英語嫌いが促進する。そして、英単語と文法だけでは喋れるようにはならないし、使える英語ではない。

最近の大学入試も変化している。共通テストは以前と変わって、発音やアクセント、語句、文法の単独問題は出題されなくなり、文章量が増え、表から読み取るなどのより実用的な英語の問題になっている。医学部の試験でも文法や語彙の出題は減り、英単語と文法だけでは太刀打ちできなくなってきている。医師として働く場合英語を使う場面はそう多くはないが、英語の論文を読むことや外国人患者と英語で会話することはある。文法と英単語を覚えるだけの英語では英語論文の速読や英会話はできず、訓練が必要となる。高偏差値の医学部を卒業した医師たちはあれだけたくさん英語を勉強したはずなのにろくに英会話ができないので、ほんの少しだけ喋れる私は通訳として呼ばれることがある。私の英会話はコミュニケーションがなんとか取れるぐらいの拙い英語なのだが、それでも重宝されるというところが、日本の英語教育の問題点であろう。

私が行った英語勉強法

鉄緑会の勉強

私は鉄緑会に通っていたので、英単語とイディオム、文法を徹底的に覚えた。例文を丸暗記し、そこに出てくる英単語、イディオム、文法をマスターした。英単語、イディオム、文法が分かっていれば、長文読解は【】や()、S、Vなどと書きながら構文を分解すれば意味は分かるし、ライティングは英単語、イディオム、文法を組み立てれば書ける。鉄緑会では毎回小テストがあり、英単語をどれだけ覚えられたかも確認できるし、やればやるほどできるようになってくるので楽しかった。大学受験までの英語上達の道のりが可視化されており、小テストや宿題をこなしていけばいいという安心感もある。鉄緑会は「数学は暗記だ」と解法パターン暗記を提唱した灘→理三→精神科医の和田秀樹が創立に関わっており、記憶力がいいASD(自閉症スペクトラム障害)には向くだろう。デメリットとしては、鉄緑会の英語は単語、イディオム、文法のTHE受験英語なので、鉄緑会の英語をいくら頑張っても長文の速読や英会話ができるようにはならないことだ。当時私が通っていた頃より、テキストの英会話の文章も増え、リスニングも増えたが、鉄緑会の英語のみではリーディング、リスニング、スピーキングは足りないと思われる。

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