『ジョニーぶらり旅』グアム編④
フードコートに来た。私の大好きな、タコベルがあるではないか。
タコスとの出会いは、約3年前になる。私はそれまで、タコスという食べ物を聞いたことはあっても、食べたことがなかった。映画なんかで見る程度だったので、とてもアメリカンな食べ物だなという知識だった。
そしてある時渋谷に遊びに行くと、タコベルがあるではないか。急いで買って、本物のタコスを食べることにした。タコスを一口かじった時に、体に電気が流れた。
「これは最高な食べ物だ」
タコスと恋に落ちたのはこの時だった。以来、自分でタコスを買って作ってみたりと、タコスとの関係を順調に進めてきた。
そして遂にアメリカ領土内の本物のタコベルで、食すことができる。
興奮しながらも、頑張って注文した。
一番安い、タコス3つとコーラのセットにした。コーラは映画を観ている時にトイレにいかないように、Mサイズにした。
しかし、手渡されたのはドでかいコーラだった。
そうだった。アメリカサイズは日本より大きいんだ。MがLくらいなんだ。
そして、タコスに巻かれている紙を丁寧にはがし、淫らにご神体をさらけ出した。とても神々しい。直視できない。
謹んで、一口食らいついた。
「そうでもないわ」
なんか日本の渋谷で食べた時の方がうまいわ。
拍子抜けしながら、コーラを飲んだ。
めちゃめちゃうめぇじゃねぇぇか
タコスなんかより百倍旨かった。グアムで飲むコーラがここまでうまいとは、信じられなかった。
ひとりで「なんでコーラのほうがうまいねん」と、また突っ込んでしまいそうだった。
タコスを食べ終えて、映画館へと向かった。映画館の中には、懐かしいゲーム機が置いてあり、子供の頃の記憶がよみがえった。
ターミネーター4が公開されたころに、ゲームセンターで父親とターミネーターのシューティングゲームをやったことがあった。たった一回のプレイで、その後にその機械自体を見ることはなくなったが、なかなか強烈な記憶だったので覚えている。
そのターミネーターのシューティングゲームが、ここグアムにもあるのだ。英語版だったし、一人だったのでやりはしなかったが、とても懐かしかった。
そして映画館の壁には公開予定のポスターが張ってあり、洋画ファンの私としてはとても興奮した。
上映時間になったのでシアターに入ると、私含めて4人しかいなかった。金曜の午後2時だったので、そんなものだろう。
後ろに座っているアメリカ人カップルの、男のほうのファッションスタイルが、日本では見ることのないダサ目だったのが印象に残っている。
いざ映画が始まってみると黒人英語強めで、聞き取るのがなかなか難しかった。とはいえ、マイケルBジョーダン主演の『クリード3』を、公開日にアメリカ領土内で観ることができたのは、大切な思い出になった。おそらく日本人最速だろう。
(アマゾンプライムでの配信後に見返し、物語の詳細をやっと理解することになる)
上映が終わって、ウィンドウショッピングを堪能してから、ショッピングモールを後にした。ここからホテルまでしっかりと自分の足で帰らなければならない。
また炎天下の中、漏らしそうになった道を歩くということか…。
かくして、私はホテルまでの7キロの道を、熱中症という恐怖と闘いながら再び歩いたのであった。
つづく。次回『ドキドキはらはらナイトクラブ編』
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