仕事の安請け合いは絶対にやめよう
自分は「絶対に」という言葉は基本的に使わないようにしている。
絶対的なものなんてあるのだろうか?と思ってしまうからだ。
しかし、自身の体験から、仕事の安請け合いは「絶対に」やめるべきと断言出来る。
今回は、自戒の念を込めて書き記したい。
まずは、自分が安請け合いをしたことで業務量が増え、回らなくなり、爆発し、限界を感じるまでに至った経緯を書き出していく。
そして、必死に頑張った結果、周囲の評価はどうなったかも書いていきたい。
(途中から一部野球やパワプロでの例えがあります。分からない人すみません)
【安請け合いの経緯】
その当時、自分は仕事の調子が良く、パワプロのやる気ゲージで言えばオレンジ〜ピンク(好調〜絶好調)くらいだった。
トラブルは多々あったが、取引先に罵倒されても受け流せるくらいの気概があった。
業務のキャパも余裕があり、いわゆるノッてる状態だ。
日々の顧客メンテナンス的なお仕事もこなしつつ、新しいことにも取り組んだ。
会社からの評価も上々、大手顧客も任され順風満帆と言っても良かった。
その辺りの余裕や自信が、結果的に後の悲劇への引き金となってしまった…
ある時、同僚が急遽退職することとなった。
かといって、いきなり人員補充出来るものでもない。
退職まで時間的な余裕がなく、じっくり引き継ぎをする暇も無い。
となると、少しでも効率的に引き継ぐため、業務をひとつひとつ洗い出して複数人に割り振るのではなく、
1人に対してまとめて引き継ぐ方が良い。
その1人というのが自分であった。
野球で言えば、ショートが急遽ケガしたけど代わりがおらず、
サード・レフト・セカンドでの守備範囲の割り当ても難しいので、セカンドさんだけでショートのカバーお願いね、と言われたようなものだ。
守備範囲が単純に倍になる。
しかし、当時の自分は、
「担当が増える=期待されてる」
「期待されてる=応える必要がある」
「期待に応える=成長に繋がる」
と考え、成長の機会とポジティブに捉えていた。
自身の守備範囲がどこまで広がるかを想定せずに引き受けたのだ。
【引き継ぎ後2〜3ヶ月での後悔】
引き継ぎ直後はやる気に満ちていた自分。
しかし、元々業務量に余裕があったとはいえ、倍になると流石にしんどい。
メールも1日60〜70通だったのが130通くらいになり、日中に外出しているとメールが捌き切れなくなる。
終わらない仕事は残業を増やすことでなんとか対応し、慣れるまでの我慢と言い聞かせていた。
しかし、やれどもやれどもなかなか慣れない。
ようやく慣れてきたかな、と思ったタイミングでトラブルが立て続いた。
徐々に手が回らなくなっていき、社内外から催促されるケースが増えてきた。
残業の時間が目に見えて膨れ上がっていった。
パワプロで言えば、黄色〜青(普通〜不調)だろうか。
【引き継ぎ後6ヶ月で見えてきた限界】
慣れるまでの辛抱と思い、身体に鞭を打って働いてきたが、仕事の増える量に対してキャパが広がらなくなってきた。
そう、仕事は増え続けるのだ。
仕事や売上を増やせという上司はいても、セーブしろ、減らせという上司はまずいない。
元々がギリギリ、なんなら若干キャパオーバー気味の仕事量だったので、時間が経てば経つほど雪だるま式にきつくなってくる。
強まる社内外からの督促。
連絡が来るのは怒られる時がほとんど。
段々メールや電話に対応するのが億劫になっていった。
パワプロでの状態は間違いなく紫(絶不調)だ。
【引き継ぎ後9ヶ月に起きた症状】
暗黒期に突入。
仕事がいよいよ回らなくなり、かといって残業でカバーする気も起こらず、すべてに投げやりになっていった。
今にして思えば、パワプロでのやる気ゲージとしては緑(ケガ)状態だった。
既存の仕事が山積され、新しいことにやる気が起きず、会社に行くのが苦痛だった。
周りから督促され過ぎて、全員が敵に思えてきた。
「頑張れ」という励ましの言葉を受けることもあったが、それすらも嫌味に聞こえた。
仕事のことが常に頭から離れなくなり、夜中に起きては眠れなくなったり、休日も仕事が気になって楽しめなくなっていった。
どんどん自信が持てなくなっていき、日常会話でも曖昧な話し方が増えていった。
メンタルも限界に近くなり、担当業務を減らして欲しいと上司に伝えた。
【周囲からの評価】
上記の期間中は、通常の人と同じ給料で2倍のタスクをこなそうとしていた。
しかし実際には、広過ぎる守備範囲をカバー出来ず、ポロポロとエラーが出るようになった。
また、新しい案件を突き詰めたり、客先への提案を行ったりというアクションは減っていった。
その結果どうなったかというと、
「あいつは言われたことも出来ない」
「本当に仕事をしてるのか」
「すぐに返事が欲しいのに反応が無くて困る」
ということを社内外から言われるようになった。
待て待て。
こっちはセカンドとショートを1人で任されてるんだぞ?
元々が土台無理なのに、エラーの数だけでバッシングされるの?
別に給料も上げてもらってないよ?
たしかにショートも兼務するとは言ったけど。
そう、ショートも兼務すると言ってしまった。
そのため、「自分が兼務するって言ったからな〜」という気持ちが沸いて、監督に「ポジションを戻してくれ」と言えない。
有能な監督であれば、「この配置は無理があるな」と配置転換を考え直すのだろうが、
そもそも8人しかいないのでどこかで無理は生じる。
複数人に無理をさせるか、1人に無理させるかで、前者は総合的に考える必要があって手間もかかるので、後者を選ばれたわけだ。
新しいチャレンジや提案をする余裕もなくなった。
守備の悪いリズムが打撃にも悪影響を及ぼした、という感じだろうか。
ますます下がる評価。
自己肯定感の低下。
失われる自信。
そりゃそうだ。
元々に無理があったんだから。
しかし、そもそもの発端は自分が安請け合いをしたことだ。
新しく任される仕事がどの程度の量なのか。
(上司からは、「大した量じゃないから」と軽めに聞かされていたが、その言葉も信じてはいけなかった)
今の業務の空き時間になんとかなる量なのか?
業務の定量化は難しいけど、自分を守るために出来る限りのことをやった方が良い。
周囲は想像以上に助けてくれない。
一部の人は心配はしてくれたけど、助けを求めて、具体的にアクションを起こしてくれた人は2〜3ほどだ。
自分自身の成長を望むなら、本当に成長に繋がる環境かをよく吟味した方がいい。
周囲からの評価を望むなら、どこまでやれば評価されるのかを監督と握った方が良い。
【安請け合いで得たもの】
悪いことばかり書いてしまったが、得られたものも記しておきたい。
・会社からの自立心
→結局会社は守ってくれない。
自分を守るのは自分自身のスキルと結果だ、と強く意識するようになった。
・転職への後押し
色んな会社、チームが世の中にはある。
一つのチームで適切な評価を受けてないと感じるのであれば、もっと良いチームを探そう、という境地に至ることが出来た。
(現在も転職活動中)
・周囲から嫌われる勇気
基本的には周りに気を使うことでうまくやってきた自分だが、これを機に少しずつ周りの顔色を伺うことを止めるようにした。
「みんな好き勝手言ってるな〜」というのを痛感したから、遠慮するのがアホらしくなってきたのだ。
まだまだ時間はかかりそうだが、周囲との付き合い方はこれからも徐々に変えていくつもりだ。
・現状打破のための具体的アクション
これが一番大きな学びかもしれない。
色んなジャンルの人の話を聞く。
本を読みまくる。
ビジネス記事を読みまくる。
何でもいいので、学んだことをアウトプットしてみる。
こういった具体的なアクションを取ることで、少しずつ自分を変えるための一歩が踏み出せるようになった。
新しいやりたいこと、夢もぼんやり見えてきた。
改めて、安請け合いは絶対にオススメしない。
しかし、安請け合いからでも学ぶことはあったので、やはり絶対という言葉は使うべきではなかったな〜とも思う。
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