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福岡のホテルで海外気分を味わった

福岡で行われるライブに参戦するべく、私はホテルを探すことにした。
(↓この日記の時のライブだ)

ネットの海を彷徨いながらどこが良いかな〜とページをクリックしているとこれまたお値段が高そうなホテルに目がいく。
「うわ…ここライブ会場にめちゃくちゃ近いじゃん…」
Googleマップで場所を確認しながらつぶやく。
一泊いくらかしら…と自分が泊まる日を入力して確認する。
えっ?!24,000円!!
…そっとそのページを閉じて別のホテルを探す。
しかし頭から離れない。
『ビジネスホテルだったら2泊は泊まれる値段のホテルってどんな感じなんだろう?!』とか『別にこの先旅行とかしないだろうし泊まってみようかな』とか色々考えてしまう。
よし!ヒルトン福岡シーホークに泊まってみよう!
ええい、ボタンをポチッとな!!


足がいうことを聞かないので休憩がてら写真をパシャリ。前を歩く人の足の速さを羨ましく思った。

この判断は間違っていなかった。
なぜならライブが終わってからの自分の足が震えすぎてヨチヨチ歩きしかできなかったからだ。こんな状態で公共交通機関を使えるわけがない。
普通だったら5分もかからない距離にあるのに、膝が言うことをきかないせいでホテルに着くまで10分くらいかかった。
ヨチヨチしながらフロントを抜ける。フロントでは外国からのお客さんで賑わっていた。ライブ前にチェックインしていてよかった…と思いながらエレベーターへ向かう。
しかしこのエレベーター、2種類あるようで「低層階用」と「高層階用」で分かれていたのだ!
ライブで興奮状態の私はそんなことも気が付かずにエレベーターに乗り込む。この時の私は運が良かったらしい。自分の泊まる部屋で止まるエレベーターに乗ったようで無事に部屋に辿り着く。
このエレベータートラップ(と勝手に呼んでいた)に気づいたのは翌日の朝のことだった。

前日の曇り空が嘘のように晴れて気持ちのいい朝だった。

昨日夜ご飯も食べずに寝たせいでお腹が空いて起きた私は、ホテルに隣接しているコンビニで朝ごはんを買いに向かった。
おにぎりを二つとバームクーヘンを購入してルンルン気分でフロントを抜けてエレベーターへ。すると目の前を歩いていた女性もエレベーターへ向かっている。なんの迷いもなく彼女が乗るエレベーターに私も乗り込んだ。
と、ここで気がついた。
『あれ?私の泊まる階のボタンがない!』
アワアワと慌てている私を不思議そうにみる彼女。もう閉まって動いているエレベーター。くそっ、こうなったらここから一番近い階だ!とボタンを押す。
どんどん上がっていくエレベーター、空腹で鳴るお腹、彼女から感じる痛い視線!
と私が押した階でスッと扉が開く。とりあえず降りよう!
そそくさとエレベーターから降りた瞬間、大きなゲップの音が聞こえた。
えっもしかして私?!と思ったが違った。
後ろを振り返るとエレベーターの扉が閉まる隙間から彼女が口を開けてゲップをしているのが見えた。
…なるほど、彼女から感じたあの視線は「早くこの人降りないかな…ゲップでちゃうよ」というメッセージだったのか…。
『私が乗るべきではないエレベーターに乗ったことで彼女にも恥をかかせてしまった』という事実と『我慢してくれていた彼女の優しさ』が朝の回らない頭を冷静にした。
何を慌てる必要があろうか。もう一度フロントのある階に戻ればいいのだ。
そこでようやくこのホテルのエレベーターには「低層階用」と「高層階用」の2種類があることに気づいたのだった。


ひとりで泊まる時って机の上ゴチャゴチャになるよね。あれ?私だけ?

無事に朝ごはんを手に自分の部屋に戻った私は一息ついた。
「いや部屋汚いな!」
前の日の自分がゴチャゴチャと机に物を置いたまま寝たせいで、部屋の片付けから始める羽目になった。
グゥグゥ鳴るお腹をなだめながら机の上の物をリュックに詰め込む。
それにしても…と手を動かしながら考える。
「このホテル全然日本人を見かけないな…」
たぶん今さっきの彼女も日本人ではない。というのも彼女の服装が直感的にそれではないと思ったからだ。そして極め付けは匂いだ。
かなりの数の韓国人がフロントでチェックインしていた。少しだけ韓国語を勉強していたおかげでそれがわかった。そして韓国の人たちからはキムチの匂いがするのだ!!(いや、これはマジな話で韓国に行った方はわかると思うが本当にキムチの匂いがする。)
面白いことにキムチが香る集団はみんな韓国語を話していた。みんなここに来る前に「最終キムチ」してきたのかなぁ…。
「ふふふ…」と思い出しながら机が片付いたのでおにぎりを食べる。
でもエレベーターでの彼女はその匂いがしなかった。ということは中国の人だ!
というのもこのホテルのもう半分くらいのお客さんは中国人だった。(これも一昔前に中国語をテレビで勉強していたのでわかった。)
彼ら、彼女たちからはまた独特な匂いがした。
この匂いなんだろ…わかった!八角だ!!(八角とは中国原産の「トウシキミ」という木の果実を乾燥させたもので、かなり独特な匂いがする)
その匂いがする!気がする!!
マスクをしていたので確証は得られなかったが彼女の原色ファッションも相まって中国人だという結論に至った。
自分の出した結論に満足しておやつとして買ったバームクーヘンを口に運んだ。


部屋から撮った写真。右側に海が見えて綺麗だった。

日本人客を見かけなかったせいか、海外に行った後のような気分でホテルをチェックアウトする。
「なるほど、高級ホテルってのは海外客向けなんだな」とよくわからない分析をしながらまだ震えている足で帰りのバスに乗り込んだ。
もし今度どこかへ旅行するのならこの震える足を鍛えなきゃ。じゃないと「日本人からは湿布の匂いがする」と海外の人から思われてしまう。
次の課題が出来たところで、昨日ライブで聴いた曲をウォークマンで再生しながら座席のシートにもたれて眠りについた。
晴れていた空が少しずつ曇り空に変わっていくのが見えた。


「なんかコイツ面白いじゃん?」と思われたそこのあなた!! そうです!そこのあなたです!よかったらサポートしてくださぁあああああいぃ!!!! 創作作品を制作するための資金にさせていただきます! よろしくお願いしまあああああああああああああああああああすっ!!!!💪✨