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イタリア滞在150日目・151日目・152日目・153日目・154日目

トスカーナのMontecatini Termeという街から少し登ったMontecatini altoのオリーブ農園、Antico Podere Cavozzoliでツアーを受けてきました。

参加者は僕を除いて5人。ドイツとアメリカから?

それぞれの機会をいつ、どう使うか。
このプラスチックのカゴに収穫したオリーブを詰めます。詰めすぎたり、温度の高いところに放置するとオリーブオイルの欠陥になるので日陰で通気性よくします。
これはオリーブを収穫するための道具。収穫の方法は手積みと機械の2通りのやり方があって、道具を使うのは手積みに分類される。道具の先は柔らかくなっていて、オリーブの実を傷つけることがない。下にある緑の網に落としてそれを集める。
梅かな。
農園の責任者はGiacomoという人なんだけど、Giacomoが忙しい時にヘルプに来ているのがこの人。
一通り説明を受けてからcantinaに入ります。
Produzione Commercio. エキストラ・バージン・オリーブオイルが多くを占めていると思いきや、実際はさんさサンサ・オイルやランパンテ・オイルといった劣化品がほとんどで、EXVオリーブオイルは全体から見ると少ししかない。
生産量、輸入量、輸出量、消費量。数えてみるとわかるけれどおかしい。でもこれは現実の数字。
ちなみにこのような透明のボトルに入れているとオリーブオイルはすぐに劣化してしまいます。青色が最も紫外線を通さないボトルなのですが、実際に見るのは透明が多いよね。間違って買わないように。ただし、遮光していれば必ずしも美味しいわけじゃなくて。ダメなオリーブオイルは製造工程に問題があったりするので、時間をおかないとわからなかったりする(逆に言えば作ってから1ヶ月で消費するならどんなEXVオリーブオイルも美味しい)。
いろいろなサイズのボトルが売っています。
左はオリーブ茶。真ん中と右はフレーバーオイル。シチリアレモンとペペロンチーノ。
石鹸や蜂蜜なども売っている。
これ何かわからなかったけれどめちゃくちゃいい香りだった。

「行ってきました」などと報告しましたが、実際のところ僕はオリーブオイルソムリエなのでほとんどのことは知っているんです。ツアーは参加者のバランスをとって英語で進行したこともあり、用語がわからないことも多かったけれどフィーリングでわかる。

とはいえもちろん収穫もあって。一番面白かったのは参加者がお土産として購入するオイル。僕は一番高いRiservaのEXVオリーブオイルが好きだったのですが、他の参加者はそれよりも一つグレードが低い日用品としてのオリーブオイルを買っていたんです。これは共感できるところもあって。苦すぎる・辛すぎるオイルって一般消費者はどうしても選択しにくい。僕も資格撮る前だったら同じ選択するときあるもん。

もう一つ面白かったのは他の参加者がフレーバーオイルを買っていたこと。レモンもペペロンチーノも調味料という観点から見れば面白かったのですが、料理人としての観点からみるとレモンもペペロンチーノも調理工程に加えればどうにでもなるし、そもそも味自体がレモンやペペロンチーノに寄りすぎていてせっかくの美味しいEXVオリーブオイルの風味が消えてしまっていると感じたんです。僕は。

でも、これも実際は好みの問題でしかなくて。僕はオリーブオイルが好きすぎるから「勿体ない」と感じてしまうけれど、一消費者として見れば使い勝手のいい調味料と思える。白トリュフオリーブオイルは僕も好きだし。

と、専門と現実の間を知れてとても興味深い時間でした。

トスカーナらしい「辛い!」「苦い!」オイルなので、近くまで寄った方はぜひ。

今週は食材を消費する週間です。ナッツとパン粉。
アーティチョークのイタリア風オムレツ
https://www.youtube.com/watch?v=ERoYWJHnSvs
Pizza puttanesca
月曜は恒例、ソムリエコースの見学。
モリーゼ、アブルッツォ、もう一個どこだったけ。
久々に髪を切りました。cineseがやってると聞いてビクビクしながら行ったのだけど、いい腕でした。繊細で、でも手が早くて。職人って感じだった。12 euro.

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不定期連載。実験的に始めます。買い切り。

イタリア滞在期(2022.10~)を連載中です。イタリア料理、ナチュラルワイン、日々のこと。エッセィ。

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