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イタリア滞在32(続)、33・34日目

前回の続きです。アイルランド音楽のライブに行ったつもりが実質ケーリーで、帰りが遅くなったので書ききれなかったことをまとめます。前半はダンス成分多め、後半は雑記。

会場はSpirit de Milan。ミラノ郊外にある建物。と言ってもZone3圏内。お化け屋敷みたいな外観で、人気もなく車も少ないからやばいとこに来ちまったとビクビクしてた
中入ってもこれよ。USJに来たと思った方がまだ腑におちる
ステージにアイリッシュハープがあるとわかってどれだけ安心したことか
19:30open、20:30ワークショップ開始。で、これが20:20くらい。誰一人ダンスホールにいない。ここに来る前にビールを一本開けてから来ていて。来る前は若干後悔していたのですが、来てみるとシラフじゃ10分といたくない場所だったので飲んできてよかったと思いを改めました。
バーカウンターがあります
6ユーロ払ったら好きなビールを選べるシステム
ちょっとずつ人が増えてきて、ダンスシューズを抱えてる人もちらほら見かけるようになったんだけどステージは空のままんすよ。これが21時10分前くらい

イベントが始まってからは「むっちゃ楽しい」の一言。事前に一切のアナウンスなしに遅刻で始まったワークショップでツーハンドダンスを3つ。これを1時間くらい。なんで成り立つかっていうとみんな踊り慣れてるから。参加者の半分くらいはダンススクールに通っている(いた?)大人たちで、ケーリーダンスを嗜んでいるみたい。初心者らしき人ももちろんいたけれど経験者が多いとワークショップが進みやすいことは身をもってよく知ってる。アイルランドでワークショップがサクサク進むのは当然として。日本ではもう数年かけないと生まれない光景だろうな〜と思いました。クラスきちんと運営できるって本当にすごいことだ。

ワークショップで習ったダンス。みんなで「Hey!」って言ったり、レディーの可愛い所作があったり、拍手したり、男性の遊びポイントがあったり(1:30で目配せして遊んでる)、初めての人でもベテランでも楽しめる。Lead Aroundも少し傾きながら歩いていたり、リズムも楽しめる。

イベント中はもちろん習っていないダンスの時間もあって。これはベテラン勢のみが前に出て踊っていた。「ボンファイア」って言っていた気がする。

ここら辺も、初心者とベテランがどちらも楽しめるようにイベントが構成されていてすごいなと思った。1個目の動画で伝わっていると嬉しいのだけど、司会の方の盛り上げがすごく上手くて。演奏者やダンサーとの信頼関係がきちんとできているかなと感じた。

ワルツも習いまして。

僕はワルツ大好き人間なのですが、どうにも日本だと自然に踊れる場所が少なくて。イタリアでガッツリ練習できて嬉しかった。もっと覚えたいなー


このイベント、FBページだと「ダンスのワークショップとライブ」と書いてあったと思うのだけど、蓋を開けてみると完全にケーリー。ただしセットダンスは踊りませんでした。

日本で(アイルランドでも)「ケーリー」というと8割はセットダンスをするイベントというのが常識ですが、国によりまちまちなんだと認識が改まりました。スコットランドだとセットダンスじゃなくてスコテッシュダンスを踊るよね。イタリア、というかミラノだとセットダンスやシャンノースはマイナー?でケーリーダンスとツーハンドダンスを踊る?のかも?

でもダンスばかりじゃなくて、ライブがあったり、歌っていたり。歌いながら踊るダンスもあったんです。一番好きだったのですが、両手を繋ぎ続けるダンスだったので録音も録画も一切できなかったんですけれど。ボイスメモしかない。
このバランスが絶妙だな〜と感じた。参加型イベントが僕は大好きだ。


もう一つ印象に残ったことがありまして。僕がヨーロッパに来るのはかれこれ4回目。アイルランドのフラーやエニス、ダンシングウィークエンドにも参加していて。日本でもスコティッシュダンスやスウェーデンダンス、フィンランドダンスもかじっていて。ヨーロッパのダンスをちょっとは知っている気になっていたんです。でも、この日感じた高揚は今まで僕が知っていたそれとは違った。

ダンスって「身体を動かすことがたのしい」レクリエーションだと思っていたんです。自分のリズムと相手のリズムを感じる、音楽を聴く、シンクロする。聴覚と触覚を使う身体的コミュニケーション。

これって実は「受動的」で。はじめは音楽や一緒に踊っている人のリズムありきなんです。当然ですけれど、知らないダンスをいきなり踊れないじゃないですか。曲を知っていたり、リズムを知っていたり、ダンスの肝がわかっていれば、つまり手練れになると自らリズムを奏でる、相手を震わせることができる。ここがダンス好きの壁になる部分であり、そしてケーリーホリックの誰もが知っている快感でもある。

でも、もし踊りながら歌うようなダンスがあったら。歌って自分の身体を震動させる動きなので、まさに小さなダンスなんですよね。音楽と、人と、みんなで声を合わせて、身体を震わせて踊る体験ってすっごく原始的で、気持ちいんです。特に言葉の通じない外国では。これって要は初めて会った人と近づけるコミュニケーションで、日本でも再現可能なんじゃないかと思ったりしました。歌さえ好きなら誰しもダンス好きになれるんじゃないかと僕は信じられた。

通じるかな〜これ。動画を見せたかった。


イベントが終わったのは0時過ぎ。23時過ぎると帰り始める人もちらほら。僕は最後のダンス2つは踊らずに動画を撮っていました。バスを乗り継いで1時間かけて帰宅。途中の乗り換えでイタリアのお姉さんが助けてくれたり、定刻通りに出発しないバスにおばあさんが怒り散らしたり。イタリアでした。

水木と雨、金曜日はピッカピカの晴れ。でも随分と寒くなりました。コート買わなきゃ
レンタル自転車を契約するか考え中
下のピスタチオアイスバーを試しに買ってみたのですが存外美味しくてびっくりしている。最近、上品なお菓子が恋しくて。作るか買うか考え中。
サルシッチャとほうれん草のリゾット
鏡に僕の髪の毛が映ってます。風に靡く髪を見ては「ここに妖怪がいるぞ」と想像して遊んでいます。
メトロの優先席マーク。これと同じ絵柄のお札(円形)があるのだけど、今日メトロに乗っている時にその札を急に見せられたんです。僕は優先席に知らずに座ってしまっていたのですが、相手が(手すりに置いていた)僕の腕に軽くぶつかってきたので「この手すりを使いたから避けてくれ」というコミュニケーションかと勘違いしてしまって。いつまで経っても席を譲ろうとしない僕を見かねた隣の方が席を立った瞬間にすべてを理解して席を譲りました。イタリアの常識を知らない僕の過失なのですが、「優先席座りたい」マークを各自が持っているのは分かりやすくていい文化だなと思いました。日本だと妊婦かどうかを察したり、年齢を測ったりと無駄に空気を読む文化があってめんどくさくないですか?

34日目:語学学校(リモート)、勉強、アルバイト
35日目:語学学校、勉強、アルバイト

語学学校の先生が新しく男性の先生に変わったのですが、話している時に「〜〜〜、ん!〜〜〜」と相槌が入るんです。日本だと「ドヤ」みたいなニュアンスで。イタリアでそのように話す人を既に2人見かけているので個人的な癖ではなく、イタリアの人が一定数利用する癖だと思われます。英語圏の「アーハァ」みたいな?笑
やりたいことはわからんでもないのですが、どうしても「ここは〜〜だよね(ドヤァ」みたいに聞こえてめっちゃ聞きづらい。困る。教えて詳しい人。


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イタリア滞在期(2022.10~)を連載中です。イタリア料理、ナチュラルワイン、日々のこと。エッセィ。

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