イタリア滞在63日目〜66日目
「道草を楽しめ 大いにな
ほしいものより大切なものが きっとそっちに ころがってる」
を肌で感じる今日この頃です。
12月7日はミラノの祝日。語学学校は水木金とお休みで、水曜日はヴェローナへ。木金土日はイタリア語を家で勉強しつつ、アルバイト、クリスマスマーケット、Fiera Milano、アルゼンチン料理などミラノを堪能していました。
全部美味しかったけれど、コントルノのチーズとじゃがいも合わせたやつや自家製ポテトチップスが美味しかったのが特に記憶に残っている。
ここ数週間は出会いや変化が多くて、今後の身の振る舞いについて考えを改めています。
イタリアに何をしに来たか。何を学んで帰るか。そもそも日本に帰るのか。イタリアにどれだけ滞在したいのか。イタリアに1年いるのか。早く帰るのか。もっと長くいたいのか。日本に帰ってからの仕事はどうするのか。何を糧にこれから生きていくのか。どんな価値を社会に提供するのか。誰と仕事をするのか。今は全部真っ白なんです。帰りの飛行機も取っていない。VISAが1年有効なことしか決まっていない。
これはきっと幸運なことだったと今は感じ始めているのですが、当初計画していたイタリア生活と現在の生活には結構な乖離があって。家がなくなったりもそうですが、イタリアに来てから本当にどんでん返しばかり。バスが来ないのは当たり前。56セントの買い物に1ユーロ払ったら50セント返ってくる国、それがイタリア。
なんとなく、だいたいで回ってるんです。良くも悪くも。
そんな国に生きていながら「これがやりたい!」と言ってもその通りことが運ぶはずもなく、残りの約10ヶ月、やりたいこと・望んでいることはあるけれど、僕は流されるまま生きていくしかないんじゃないかと感じ始めている。きっと何かに導かれながら。
今やっているカメリエーレのアルバイト、すごく面白く感じています。イタリア語での接客や、お客様の様子を見るのが面白い。料理の説明をするのが面白い。質問に答えるのが面白い。なにより、美味しいものを食べて笑顔で帰っていくお客様を眺められるのが素敵。ワインの抜栓に慣れました。これも、僕が当初は計画していなかったものだけれど、ご縁が導いてくれた発見。
12月はディナーのお誘いがいくつかあって。アルバイト先のお誕生日会、アパートのクリスマス会、イタリア人の友達のご家族とのクリスマス会。こんなご縁に恵まれるなんて日本では全くイメージしていなかったから、驚きが大きい。
部屋がなくなって本当に困ったし、困りごとのすべてが解決したわけじゃないけれど、同じアパートの方と仲良くなれてお料理を作りあったり、食べてもらえたり。何気に久しぶりのトラットリーアひろしを開催できて楽しいのです。料理作って、美味しいと驚いてもらえるのはうれしいよね。
「何をもってして自分の料理とするか」についてはイタリアに来る前から悩んでいて。僕が作る料理は基本的に小林シェフのレシピをもとにしているので"自分の料理"じゃないとずっと思っていて。親友なんかは経緯はあるにせよ、君が作ったなら君の料理だ、と言っていて。「そうなのかな〜???」と思っていたのですが、今回のトラットリーアひろしで「これは城さんの味だし、今は違ってもこれからそうなっていくと思います」と言われて、まだ会ったばかりの人が親友と同じことを言っていたからそんなものなのかなと思い始めている。これも、トラブルが運んできてくれた出会い、ご縁、発見。
Fiere Milanoもその方と一緒に回りまして。ミラノで日本人の方と一緒に行動するのは何気に初めて。
そもそもFiere Milanoのことはアルバイト先で教えてもらえたんです。やっぱり住みなれていない土地では情報を手に入れるのが難しい。それを教えてもらえる環境にいる、というのは幸運なことです。
結論としては。
ソムリエの資格を取りたい、オリーブオイルソムリエの資格を取りたい、イタリア料理店で働きたい、イタリアに住みたい、ワイナリーで働きたい、イタリアの山の中に暮らしたい、イタリア語ペラペラになって現地の人たちと仲良くなりたい。やりたいこと・描いている夢はたくさんありますが、どれも独力で叶えられるものではなくて、たゆまぬ研鑽の果てに巡ってくるもの、出会わせてもらえるものではないか、と楽観視しています。今はイタリア語の勉強をとにかく頑張る。
とそりゃね、やりたいことはあるけど、望んでも手に入らないのがイタリア。もしかしたら、どの国でも変わらないのかもしれない。
Grazie per leggere. Ci vediamo. 読んでくれてありがとう。また会おう!