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不安な顧客にあなたのチームからも「勇気」を。

非常事態の下でどんなメッセージを送るか。

小池都知事が首都圏封鎖の可能性を示したのを受けて、きょう3月26日、神奈川・埼玉・千葉の県知事が同様のコメントを発表。首都圏封鎖が現実味を帯びて来ました。スーパーでは食品や日用品のまとめ買い(買い占め)が発生してます。

一度、人々の不安な気持ち火が着いてしまったら「冷静になって!」とか「報道するな」「SNSに書くな」とやっても収まりません。人々の心を動かすのは、どんなメッセージを発信するかだと思います。非常事態の下では誰もが不安に足を突っ込みたくなる。一度突っ込んだら不安を払拭する現実を見るまで持続します。

勇気に着火するメッセージと行動

日本のリーダーが不安を拡大させるようなメッセージを発信し続ける中、NYのクオモ州知事のリーダーシップが評判です。

3月23日・24日に行われたプレス会見では「人工呼吸器が3万台必要なのに、現状調達できたのは400台。」と絶望的な状況を共有しながら、「調達では価格の釣り上げが発生しているのは確かだが、価格コンペしている場合ではない。経済と命は争えない」としたうえで、こんなメッセージを付け加えています。

我々はこれを乗り切る。
なぜなら、我々はニューヨークであり、賢い(スマートだ)からだ。
我々はタフなニューヨークであり、団結している。

タフでなければならない。
ここはあなたをタフにしてくれる。いい意味でタフにしてくれる。
わたしはニューヨークが大好きだ。ニューヨークがみんなを愛しているから。
黒人でも褐色人種でもアジア人でも、背が低くても、背が高くても、ゲイでも、ストレートでも。
ニューヨークはみんなを愛している。
だからニューヨークを愛しているんだ。

たとえ長い一日になろうとも、そしてこれは長い一日だけれど、
愛は勝つ。そう、必ず勝つ。


不安を完全に拭うことはできないかもしれません。けれど、リーダーが頼もしいメッセージを発信すれば、人々の勇気に火が着きます。

あなたのチームにも発信できる「メッセージと行動」がある

多くの企業でコロナウイルスがもたらすダメージを想定していると思います。先週までは20%減、30%減としていたかもしれません。しかしにわかに現実味を帯びてきた都市封鎖が実施されれば、売上がゼロになる、という企業や店舗も相当数出てくるでしょう。

このような非常事態とも言える状況の中、わたしたちがすべきことはなんでしょうか。今週・今月の売上を確保すること? 売上計画の再検討をすること? お客様の体験価値を大切にされているチームの皆さんには「お客様の不安に寄り添う」メッセージの発信とアクション(行動)をお願いしたいと思います。

幸い、Webやメールマガジン、SNSなどのチャネルは感染拡大の心配なくコミュニケーションできます。しかしながらこの非常事態下。ふだんであれば全く問題のない「春の新商品です!」「キャンペーン実施中!」といった販促メッセージがお客様にどう映るかは慎重に検討されるべきです。

販促を自粛しよう、という話ではありません。まずお客様の不安に寄り添い、寄り添った上でのお客様に提案することがとても重要です。お客様視点に立てば、大好きな企業やブランドからの応援メッセージは、不安を払拭したり、お客様を勇気付ける一助になります。

海外企業では「ソーシャルディスタンス(人と人の距離を取る)」取り組みを啓蒙するこんなロゴ広告を展開しているそうです。マクドナルドも、コカコーラも、アウディも、みんな「距離を取ってる!」。思わず笑ってしまうユニークさと、「隣の人との距離を空けよう」というメッセージのために絶対的聖域である企業ロゴマークを改造するという事の重大さ。顧客はいろんなことを感じ取ります。

もちろん、ふだん通りの販促メッセージを送ってもそれを怒る人はいないでしょう。しかしもし顧客重視や最高の顧客体験の提供を標榜しているのであれば、不安に怯えるお客様に寄り添う体験を提供してほしい、と思います。

ユニクロを運営するファーストリテイリング社のマスク寄贈はニュースにもなりました。しかし、予算をかけなくてもできることはいくつもあると思います。

WebやSNSでの発信メッセージ例
● コロナウイルス対策として実施している取り組みの紹介
● 状況が見えないことから生じる不安を打ち消す情報の提供
● 外出せずに購入できる方法のご案内
● 自社製品やサービスを使った「ありがちなお困りごと」解決の紹介


メールマガジンなどを通じてお得意のお客様たちに「このような状況の中で、わたしたちが改善できること・わたしたちへの要望などあればお聞かせください」と問いかけることで、顧客課題の把握や解決が促進されるかもしれません。

継続的にCXサーベイを実施している企業であれば、誘導文面にコロナウイルスに関するお見舞いの一言を入れた上で、上記のような設問を設置することも検討してみてはいかがでしょうか。

サーベイの設問追加
● この状況下での既存商品・サービスに対する要望
● この状況下で「わたしたちに期待すること」のヒアリング

※施策案はCONCENTRIX社がリリースした「COVID-19 6 Tips for Adjusting Your VOC Program」を参考にしています。ご興味ある方はご一読ください

こんなことも記載されています。

● NPSなどの数値が従来のベースと異なることに注意する
● フリーテキスト分析を強化し、クローズドループ対応をしっかりする
● FAQのアクセス分析から顧客の興味ををこまめに確認する


弊社からのメッセージと行動

弊社からの「メッセージと行動」はこの記事です。コロナウイルスのショックが今後どれくらい続き、どんな規模になるのか、まるでわかりません。しかし顧客に最高の体験価値を提供する企業は必ず応援され、ショックから素早く復帰できるものと信じています。

顧客体験価値の向上をお手伝いするコンサルティング企業として、クライアント企業のみなさんにも、まだお話したことのない企業のみなさんにもご参考いただければ幸いです。


3月28日追記

国連から「世界のクリエイティブの皆さんへ」というメッセージが発表されていています。読んでみるとクリエーターに限定せず「企業のみなさんへ」と、企業への賛同も促されています。

こうした流れを起点に、自社から顧客に伝えられること、顧客や社会に大して自社ができることについて、従業員や経営会議のミーティング(オンライン)が開かれてもよいのではないでしょうか。

オンラインミーティングのファシリテーションについての記事を別途書きます。

お気が向いたらサポートをお願いします。