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「せや、サンライズ乗ったろ。」或いは阿呆の鉄道旅 その2

皆様こんにちは、ジョーエツクアッカと申します。
「サンライズ」旅、その2です。やっとこさサンライズに乗ります。というか、サンライズしか乗りません。
日本唯一の純粋な夜行寝台列車となったサンライズエクスプレス、その旅行記、駄文ではございますが、よろしければどうぞお楽しみください。

高松⇒東京 サンライズ瀬戸

 というわけで、前回からの続きです。
 琴電の高松築港駅から歩いて数分、再び高松駅に戻ってきました。早速ホームに入場、する前にKioskに寄ります。お目当てのものは、かつては車内販売で発売されていたサンライズのトラベルセット。シャワーを使おうというのに、タオルも持っていないというのでは笑い話にもなりはしません。歯ブラシやタオルがセットになってるトラベルセットの存在は心強い限りです。ついでにお土産にもなります。
 事前準備は整いました。いざ入場、サンライズが私を待っています。
 いよいよ電光掲示板にも「サンライズ瀬戸 東京」の文字が。長距離在来線列車が無くなりつつある今日この頃。四国の駅で、遥か彼方の東の都の文字を見つけてしまっては、心の昂ぶりを抑えきれません。

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 心ウキウキわくわく。
 この言葉がこれほど似合うシチュエーションもありません。
 そして、遂に入線の放送が。遥かからヘッドライトを燦然と輝かせ285系がゆっくりとこちらに向かってきます。

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 遂に夢にまで見たサンライズです。
 ずっと乗りたいと思っていたサンライズにやっとこさ乗れる。これほどの心の昂まり前にしては1秒も1年に感じるというもの。「一日千秋」、この言葉の意味をこんなにも実感するとは。しかし頑強な理性をもってドアが開くのを待ちます。
 さぁいよいよドアが開きます。入って最初にやることはシャワーカードを買うことです。サンライズエクスプレスには、シャワー設備が存在するのですが、それを使うにはシャワーカードを購入しなければなりません。せっかくリラックスしようというのにシャワーを浴びられないとあっては、悲しみの涙で心がシャワーを浴びてしまいます。
 無事シャワーカードを購入し、自分の部屋に向かいます。部屋はB寝台ソロ、1階個室です。ドアを開けていざ入室。

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 意外と狭いな?とも思いましたが、最安寝台料金でこれだけの部屋が使えるのです。むしろ十分すぎるくらいでしょう。大荷物をもっての旅では少し不便かもしれませんが、通常旅ならモーマンタイですね。とはいえ、1000円追加で払えばワンランク上のシングルに乗れるのですから、基本的にはシングルを使うのがベターかなと思います。でも、狭い故の秘密基地感が味わえるので、これはこれで結構いいですね。
 車内検札を終え、少しホームに戻ります。出発までまだ数刻、四国の風をこの身に刻み込みます。寒いなおい。
 21:26、サンライズ瀬戸はゆっくりと高松駅9番線から出発します。サンライズチャイムに耳を傾けながら、流れゆく夜景に思いを馳せる。そうしていると、改めて自分は寝台列車に乗っているんだなと実感します。車内放送が終わり、レールを駆ける車輪の音が部屋に響きます。真っ暗な部屋で流れる車窓を眺める、こんなものはそうできもんじゃありません。(いや、夜にデッドセクションを抜ける「いなほ」とかなら似たようなことはできるかな?)ここでしか味わえない贅沢を楽しみます。
 とはいえ、寝台特急でも引きこもってるなんてもったいない。引きこもるのは日々の生活だけでいいんです。というわけでミニラウンジへ向かいます。
 サンライズ瀬戸には、10号車にシャワールーム・自動販売機・ミニラウンジが存在します。折角の設備、使わなければ損というものです。

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 自販機で買ったコーラを片手に車窓を楽しめば、あっという間に次の駅、坂出です。

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 坂出を出れば、サンライズ瀬戸のハイライト、瀬戸大橋を渡ります。よう、5時間ぶりか?
 とはいえ、夜も深まる22時前。微かに光る島々の光を除いては真っ暗闇。マサイ族でもなきゃ見ることもできない気がします。とはいえ、橋を渡る独特の轟音が車内に響く当たり、自分が今、プロジェクトXで特集されたかの大橋を渡っているというのが実感できます。
 瀬戸大橋を終え、6時間ぶりの本州に1センチくらいの感動を感じつつ、岡山で降りる準備をします。サンライズ第2のハイライト、岡山での連結です。
 サンライズ瀬戸は岡山駅で、山陰出雲市からやってきたサンライズ出雲と連結、14両編成となって東京を目指します。寝台特急の連結作業とあって、ホームにはファンと思しき姿がチラホラと。サンライズに熱い視線を向けています。

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 準備完了、あとは出雲の到着を待つばかり。
 やがて、倉敷方面から同じく285系のヘッドライトを輝かせてサンライズ出雲がやってきます。出雲大社で祈った縁をここで結ぶ時です。

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 ガッチャンコ。
 あっさりと連結作業を終え、サンライズ出雲・瀬戸は岡山駅出発準備をします。昔のブルートレインの連結作業から比べると、随分とあっさりとした作業でした。それもそのはず。当時から進化した機構が満載のこの車両、しっかりと作業の効率化が図られているのですから。だからこそ、今の今まで生き残れたわけでもありますが。

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 さて、そうこうしているうちに岡山を出発しました。ここから先、大阪までは今朝も通った道です。
 時間も22時半を過ぎたころ。良い子は寝なくてはなりません。
 さっさとシャワーを浴びてオフトゥンにくるまります。昨日の夜は高速バス、睡眠不足もいいところの体にフカフカベットが優しくささやきます。
「さぁ、ゆっくりおやすみ」
 そんな幻聴が聞こえてくるくらいには睡魔がやってきます。あぁ、やばい、寝る……
 ということで、三宮を通過しました。えぇ、そうです。寝れませんでした。いや、だって遠足前のワクワク感を前に眠れる人がどれくらいいるんでしょうか。
 とはいえ、せっかくの寝台列車、乗らないのは損ですし、実際睡眠不足なのは事実です。京都を過ぎたのを最後に今度こそ本当に眠ります。明日は熱海辺りで起きられたらいいなぁ………。
………………
 気づいたら横浜の直前でした。目覚ましは意味をなさなかったようです。東京ついても起きないなんて醜態を晒すことにならなくて良かった………。
 と、あまりのんべんだらりともしていられません。顔を洗い、降りる準備を終えたころには、そろそろ東京に着こうかという頃合いでした。
 7:08、朝日を浴びてサンライズは東京駅に滑り込みます。約9時間42分の寝台列車の旅もこれにておしまいです。
 まだラッシュの前だというのに、東京は人であふれています。流石世界最大のメガロポリス、人が山のようにいます。そんなしっかりと社会に貢献している人々の横で、高松帰りの観光客ムーヴメントを醸し出しているというのはなんだか少し申し訳ない気がします。とはいえ、夢にまで見た寝台特急の旅を終えた今、身体の火照りがいまだ抜けないのは仕方ないことです。楽しい旅だったなぁ。

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旅を終えて

 というわけで、高松経由新潟東京移動もこれにて終了です。自分が行ったことがなかったところに足を踏み入れ、寝台特急の旅ができたというのは、とても良かったですね。
 特に観光地はともかくとして、寝台列車はいつ消えてもおかしくはないですからね。乗れるうちに乗っておこうというものです。
 高速バス、寝台列車と連続して乗ったわけですが、やはり足を伸ばして眠れるというのは素晴らしいですね。多少高くはなりますが、足を伸ばしてぐっすりベイビーできるとあっては、寝台特急という選択は大いにアリな気がします。せやから、もっと寝台特急走ってくれてもええんやで?
 寝台特急、なかなか乗る機会が無く、乗ったことがない方々も多いかと思います。他の旅では味わえないような独特の旅情が感じられますので、皆様もサンライズに乗ってみては如何でしょうか?
 といったところで、今回は終えたいと思います。
 最後まで読んで頂きありがとうございました。さて、次のテーマは………どうしようかな。

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